サクラメント・キングスは、今年のオフシーズンに厳しい決断を迫られるかもしれません。
その決断とは、今年のオフシーズンに制限付きフリーエージェントを迎えるガードのボグダン・ボグダノビッチとの再契約です。
ボグダノビッチは昨季61試合(平均28.9分)で平均15.1得点、3.4リバウンド、3.4アシスト、フィールドゴール成功率 44.0%、3ポイントシュート成功率 37.2%を記録した優秀なロールプレイヤーであるため、キングスは彼との再契約を真っ先に考えなければならないでしょう。
重要な鍵を握っているのは、ボグダノビッチが”制限付きフリーエージェント”であるということです。
制限付きフリーエージェントということは、他のチームがボグダノビッチに契約を提示したとしても、キングスは同額の契約を提示することでボグダノビッチを残留させることができます。
『ESPN』のボビー・マークス記者は、ボグダノビッチが1,400~1,600万ドルほどの契約を結べると想定しています。
この範囲であれば、キングスはボグダノビッチと再契約を結ぶ余裕があるかもしれませんが、今年のオフシーズンに注目のフリーエージェントが少ないことを考えると、ボグダノビッチにさらに高額のオファーが提示される可能性も無いとは言い切れません。
そうなった場合に、キングスは厳しい決断に直面することとなります。
ここで彼との再契約が「絶対に必要」と言えない理由は、キングスの将来的なサラリーキャップ事情が関係しています。
キングスはハリソン・バーンズと3年間で6,000万ドル以上の契約を残しており、バディ・ヒールドとも昨年10月に4年1億600万ドルの契約延長を結びました。
これに加えて、チームの中核の一人であるディアロン・フォックスも、今年のオフシーズンから契約延長の資格を得ることになります。
フォックスと契約延長を結ぶ場合、少なくとも2,000万ドル以上は必要であり、3,000万ドル近い数字になる可能性もあるでしょう。
キングスにとって彼らはいずれも重要な選手ですが、それでも14年間続くプレイオフ未進出という負の連鎖を断ち切れていないことを考えると、若い選手への多額の投資も慎重的になる必要があります。
とはいえ、キングスに一切の希望が無いというわけでもありません。
バーンズやヒールドは年々サラリーが減少するタイプの契約を結んでいるため、それは同タイプの契約をボグダノビッチに提示するための口実ともなります。
さらにボグダノビッチは今年4月、キングスに残留することについて前向きな考えを持っているとともに、金銭面についても、重要ではありながら「最優先に考えているわけではない」というコメントも残しています。
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キングスにとって最優先事項となるボグダン・ボグダノビッチとの再契約
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もしキングスがボグダノビッチとサラリーが減少するタイプの契約を結べた場合、チームとしては将来的なサラリーキャップの柔軟性を多少なりとも維持することができ、仮にトレードを行うことになっても相手にとって魅力的な資産と思わせることができます。
したがって、キングスはボグダノビッチとの再契約を結ぶことを中心に、将来を見据えて考えるべきことが多くあります。