ヒューストン・ロケッツのスターであるラッセル・ウェストブルックは移籍を望んでいるかもしれませんが、残り3年間で1億3,260万ドル(来季は4,100万ドル)という彼の莫大な契約は、トレードの実現を困難なものにしています。そのため、スター選手を必要とするチームや、サラリーキャップに余裕があるチームでさえ、ウェストブルックの獲得には慎重を期しています。
しかし、彼と同等の莫大な契約――特にリーグで最悪の契約の一つとも呼ばれている選手を持つチームであれば、ウェストブルックとのトレードもあり得るかもしれません。
『The Athletic』のシャムス・シャラニア記者によると、ロケッツとワシントン・ウィザーズが、ウェストブルックとジョン・ウォールを含むトレード交渉を行っているようです。ウォールの残りの契約は3年間でおよそ1億3,200万ドル(来季は4,080万ドル)であるため、サラリー面ではウェストブルックとのトレードを難なく実現させることができます。
ただし最大の問題は、ウォールの健康状態でしょう。
彼は昨年1月にアキレス腱断裂の大怪我を負っており、2年近くNBAのコートに立てていません。アキレス腱断裂はNBA選手にとって最悪の怪我の一つですが、さらに厄介なのはウォールのような運動能力の高い選手にとって致命的な怪我であるということです。
ウェストブルックとウォールは、運動能力の高さを活かしたプレイスタイルや、一方でシューティングを苦手としていること、残りの莫大な契約という点では非常に似たタイプの選手ですが、大きく異なるのは両者の健康状態です。したがって、一般的にこのトレードはウィザーズに有利なものとして考えることができます。
また、ウィザーズはこのオフシーズンにリーグ屈指のシューターであるダービス・ベルターンスと再契約を結ぶことができれば、来季のプレイオフにより近づくことができるようになります。一方で、ロケッツはスーパースターのジェームズ・ハーデンまでもがチームの将来に不安を感じており、遠くないうちに再建段階に移る可能性もあることから、ドラフト指名権のような資産は確保しておきたいところでしょう。
そのためシャラニア記者によれば、ロケッツはウィザーズが提示した条件よりも多くの資産を望んでいると言われています。ウィザーズは今年のドラフト全体9位指名権や、そのほかの若い選手たちを含める必要も出てくるかもしれません。
ただ、ウェストブルックがトレードを望んでいることが真実である場合、ウィザーズは彼を獲得することを本気で望んでいる数少ないチームの一つであるため、両者がどこで折り合いをつけるのかといったところに引き続き注目です。
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