メンフィス・グリズリーズが2019年のNBAドラフトの全体2位指名権を獲得し、マレー州立大のポイントガードであるジャ・モラントを指名することがほぼ確実な中、次に注目を浴びるのがマイク・コンリーです。
12年間に渡ってグリズリーズを支え続けてきたコンリーは、残留すればモラントを指導する貴重な選手になりますが、一方でモラントが自立してフランチャイズを率いるというのも、悪くはない選択肢でしょう。
そして興味深い話題がここにも一つ、マイアミ・ヒートとユタ・ジャズが、コンリーのトレードに関心を示しているようです。
コンリーは今後2年間で6,700万ドルの契約が残っていることを考えると、トレードをまとめるのは簡単なことではありません。
しかし31歳にも関わらず、今季はキャリアハイとなる平均21.1得点のほか、平均6.4アシストも記録しているため、まだ十分にスターターとして起用できる選手です。
さて、それではヒートとジャズは、コンリーのトレードをどのように実現させ、獲得したとしてどのようにフィットするのか見てみましょう。
ヒートの場合
NBAの規則では、チームがトレードする選手のサラリーをマッチさせなければなりません。
ヒートの先発ポイントガードであるゴラン・ドラギッチは、来季の1,900万ドルのプレイヤーオプションを行使する可能性が高いと見られていますが、これだけでは不十分です。
他にヒートが放出できるサラリーの高い選手は何人か居ますが、ジョシュ・リチャードソンやジャスティン・ウィンズロウといった若い選手を手放したくないことを考えると、おそらくハッサン・ホワイトサイドとライアン・アンダーソンに絞られるでしょう。
何よりの利点は、ドラギッチ、ホワイトサイド、アンダーソンのいずれも来季限りの契約であるため、グリズリーズにとっては魅力となります。
ヒートは直近2シーズンでプレイオフを逃していますが、球団社長のパット・ライリー氏は大きな変革を望んでいません。(サラリーキャップの圧迫で出来ないということもありますが…)
それでもコンリーの加入は、大幅な戦力向上とまではいかずとも、プレイオフ進出への大きな手助けとなるはずです。
ジャズの場合
現状ではジャズが最もコンリーの獲得に近いチームのようで、『The Ringer』のケビン・オコナー氏によれば、ジャズとグリズリーズはトレードの会談の再開が期待されていると伝えています。
グリズリーズがモラントを指名したとして、彼らはリッキー・ルビオが必要無いかもしれませんが、サラリーを合わせるためにジャズは選択肢がほとんどありません。
ジャズはおそらく、デリック・フェイバースも放出することになるでしょう。
また、ジャズは今年のドラフトで全体23位指名権を持っていることからも、グリズリーズの興味を引けるようになります。
コンリーは、昨年の新人王のファイナリストでもあるドノバン・ミッチェルと、素晴らしいバックコートを形成することになるでしょう。
ミッチェルはUSG%(ボール占有率)において、リーグで30%を超える10人の選手のうちの一人ですが、ここに優れたもう一人のスコアラーを加えることによって、ミッチェルの負担は軽減され、ウェスタン・カンファレンスで成功を収められるかもしれません。