ヒューストン・ロケッツのゼネラルマネージャーであるダリル・モーリー氏は、チームを優勝に導くためであれば、本当にどんな手段もいとわないのかもしれません。
『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー氏によれば、モーリー氏は「ロスター全体と、将来のドラフト指名権をトレードで利用可能とし、チームを優勝候補に変えるための新たな構想を持っている」というのです。
ロスター全体とは、すなわちチームのビッグスリーとも呼べるジェームズ・ハーデンやクリス・ポール、クリント・カペラすらも、トレード対象になることを意味するでしょう。
また、ウォジナロウスキー氏は、特にハーデンのトレードは非常に限られているものの、それでも適切な条件であればトレードをする可能性があることを伝えました。
チームの主力すら放出するのが正しいかどうかは別としても、ロケッツが来季までに大きな変化を望むのであれば、おそらくトレード以外に道はありません。
『Spotrac』によれば、ロケッツが今夏にオプション持ちの選手と、無保証契約の選手らと再契約を結んだ場合、少なくとも10人の選手に1億2,360万ドルを支払うことになります。
『The Athletic』のシャムス・シャラニア氏は、来季のNBAのサラリーキャップが1億900万ドルであり、ラグジュアリータックス(贅沢税)が1億3,200万ドルになると推測しているため、ロケッツにサラリー面での余裕がないことは明らかでしょう。
さらに厄介なことは、ハーデンとポールの契約です。
シーズン | ジェームズ・ハーデン(29歳) | クリス・ポール(34歳) | 合計 |
2018-19(今季) | 3,042万ドル | 3,565万ドル | 6,607万ドル |
2019-20 | 3,780万ドル | 3,850万ドル | 7,630万ドル |
2020-21 | 4,120万ドル | 4,135万ドル | 8,255万ドル |
2021-22 | 4,425万ドル | 4,421万ドル(PO) | 8,846万ドル |
2022-23 | 4,730万ドル(PO) | 4,730万ドル |
※「PO」=プレイヤーオプション
特にポールは34歳でありながら、残り2年間の高額な契約が残っている上に、36歳の2021-22シーズンでさえもプレイヤーオプションであるため、ロケッツが最も手放したいと言える契約かもしれません。
既に今季でさえも、ポールの1試合あたり平均15.6得点、フィールドゴール成功率41.9%というのは、キャリア最低の数字となっています。
また、カペラも昨年の夏に4年9,000万ドルの大型契約を結んでいることを考えると、トレードしない限り、過去2年間でゴールデンステイト・ウォリアーズに通用しなかった主力を、少なくともあと2年間続ける必要があるでしょう。(ポールはオプションを行使すると考えられるため、実質3年間に…)
もし、このオフでロケッツが主力を含めたトレードを行おうと考えているのであれば、こうしたサラリーの状況にも柔軟に対応していく必要があります。