12月19日(日本時間20日)のロサンゼルス・レイカーズ対ミルウォーキー・バックス戦――第4クォーター数分過ぎた頃、ファイサーブ・フォーラムに集まったバックスのファンは落ち着きを失っていました。
最大21点あったはずのバックスのリードは11点差となっており、それはレブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスを擁するレイカーズにとっては、十分に追いつくことのできる点差だったからです。
しかしバックスには、レイカーズのスーパースターにさえ勝利を譲らない独自のスーパースターが居ます。
バックスのドンテ・ディビンチェンゾからボールを受け取ったアデトクンボは、3ポイントシュートラインの手前まで小走りで進むと、デイビスが少し後ろに下がった瞬間を見逃さず、プルアップからキャリアハイとなる5本目の3ポイントシュートを沈めました。
東西の首位同士の対決という重要な試合の中で、アデトクンボが今シーズンに身に着けた新たな武器を活かすパフォーマンスに、ファンの焦りが歓喜に変わったのは言うまでもありません。
試合後、アデトクンボはその瞬間に放った3ポイントシュートについて、「打つつもりだった」と語りました。
「勢いのあるプレイだ。僕はファウルトラブルに陥っていたから、アグレッシブになりたかっただけ。失敗しても成功しても、大事なのはやる気と自信だよ」
3ポイントシュートはアデトクンボのキャリアを通じて最大の弱点の一つでしたが、今の彼はショットを放つことにも自信を持っており、特に12月の3ポイントシュート成功率は44.7%を記録しています。
リーグ最高勝率を記録していたチーム同士の対決の中で、34得点、11リバウンド、7アシストを記録し、5本の3ポイントシュートを沈めたアデトクンボのパフォーマンスは、彼が昨シーズンのMVPであることを納得させるには十分すぎるものだったと言えるでしょう。
レイカーズを破ったことによってバックスは25勝4敗となり、今ではリーグ最高勝率を記録している唯一のチームとなりました。
しかし、彼らは昨シーズンのプレイオフのカンファレンス決勝で敗れて以降、レギュラーシーズンのいかなる試合においても成果をそれほど祝うことはありません。
アデトクンボは次のように語ります。
「現時点でNBAの1位であることは素晴らしい。だけど、最終的には彼らを見ることになるかもしれない。そうなれば、誰もこのレギュラーシーズンの試合を覚えていないだろう。僕たちの目標は一歩ずつ試合ごとに改善し、連敗しないことなんだ。レイカーズやクリッパーズのことは本当に重要ではなく、どうすれば改善できるかを考えるだけさ」
アデトクンボは改善し続けており、バックスも同様です。
おそらくMVPを受賞したとしても、レギュラーシーズンで60勝を記録したとしても、それだけで彼らが満足することはないでしょう。
レイカーズは相手チームの脅威です――がしかし、そのレイカーズの脅威がバックスであることは、疑う余地もありません。