ここ数年で”最も偉大なNBA記録の更新”といえば何でしょう?
多くの人は口を揃えて、「シーズン最多勝の更新」というのではないでしょうか。
2015-16シーズンにゴールデンステイト・ウォリアーズは、かつてのマイケル・ジョーダン率いるシカゴ・ブルズが成し遂げた72勝10敗という記録を更新する、”73勝9敗”を記録しました。
そしてこの記録は、これまでのNBAの常識を覆すものでありました。
一体どんな歴史だったのでしょうか?
今回はその軌跡を見ていきましょう!
開幕24連勝
シーズン最多勝が注目され始める遥か前、シーズンの開始時からウォリアーズは驚異的な強さを見せていました。
これまでのNBA記録であった開幕16連勝を大きく更新する開幕24連勝、さらには前シーズンから続く連勝を合わせたシーズン28連勝は、歴代2位の連勝記録です。
そしてこの頃から、ひときわ超人的なプレイを魅せていたのがステフィン・カリーです。
ことあるごとに試合で見せた超ロングスリーポイントシュートは、多くの人の度肝を抜きました。
アシスタントコーチでも・・・
ウォリアーズはオールスター時点で39勝4敗の成績を残していました。
この時点で圧倒的な強さを見せていたウォリアーズですが、特筆すべきはコーチの不在でしょう。
ウォリアーズのヘッドコーチであるスティーブ・カーが背中の手術によって離脱を余儀なくされる中、アシスタントコーチであるルーク・ウォルトンが見事な手腕でチームを導きました。
異次元な首位争い
この年のウォリアーズは文句なしの成績を残していましたが、その背後には一つの影が見えていました。
それがサンアントニオ・スパーズです。
この年のスパーズは、ハイペースに勝利を積み重ねるウォリアーズをぴったりマークしており、この2チームだけ異次元な首位争いを演じていました。
ウォリアーズはホーム54連勝を達成したのに対し、スパーズはシーズンホーム戦績40勝1敗(歴代1位タイ)を記録するなど、いかにハイレベルだったかよくわかります。
今思えば、こういった油断できないライバルがいたからこその記録達成だったのかもしれませんね。
運命のスパーズ戦
71勝9敗で臨んだ、2016年4月10日(日本時間11日)に行われたスパーズとの試合は、まさに最大の試練でした。
その理由は4つあります。
- 負ければ歴代シーズン最多勝の単独1位を逃すこと
- スパーズのホームであったこと
- スパーズはその年のホーム戦が無敗であったこと
- ウォリアーズはスパーズのホーム戦で33連敗中だったこと
というものです。
特に4つ目のホーム連敗に関して、ウォリアーズはその年の前の試合でも敗れていただけあって、多くの人が不安を抱いていました。
それでもウォリアーズはスパーズの堅いディフェンスに苦しめられながらも、92-86で勝利したことでシーズン72勝とし、歴代1位タイとします。
歴史が動いた瞬間
2016年4月13日(日本時間14日)のメンフィス・グリズリーズ戦は、72勝9敗で迎えたウォリアーズの最終戦でありました。
試合は序盤からウォリアーズが主導権を握ると、終盤まで危なげない戦いを見せ、125-104で見事にシーズン73勝の歴代シーズン最多勝を達成しました。
かつてシカゴ・ブルズでプレイをし、当時のシーズン最多勝更新を経験していたカーHCは「更新されるなんて絶対にありえないと思っていた。だけど私が間違っていた。20年前と同じことを言うけど、74勝8敗はどこのチームも達成できない。」と語りました。
▼当時のウォリアーズのミックステープ!!▼
NBAの常識を覆したプレイスタイル
現代NBAはアウトサイドシュートが主流となっています。
実はウォリアーズがシーズン最多勝の記録を塗り替えるまで、どのチームもアウトサイドシュートはそこまで多くなかったのです。
しかしウォリアーズがアウトサイドシュートを多投するスタイルで勝てることが証明されたために、現代NBAのプレイスタイルが変化したのです。
そしてこれまでのあらゆる歴史を覆したウォリアーズは、その後もリーグトップクラスのオフェンス力で強さを見せているのは言うまでもないことでしょう。
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