昨年の夏、アンソニー・デイビスのトレードの一環としてロサンゼルス・レイカーズからニューオーリンズ・ペリカンズにトレードされたブランドン・イングラムは、移籍して最初のシーズンで自身のポテンシャルを存分に発揮しています。
今シーズンのイングラムは56試合(平均34.3分)に出場し、平均24.3得点、6.3リバウンド、4.3アシストといずれもキャリア最高の数字を記録し、自身初のオールスターにも選出されました。
そのため、このオフシーズンに制限付きフリーエージェントとなるイングラムは大幅な昇給を期待することができます。
しかし一方で、長期のシーズン中断は怪我のリスクをより高めるため、イングラムがシーズン再開を辞退するという決断を下しても不思議ではなかったでしょう。
それでも、イングラムの頭にあるのはバスケットボールをすることだけのようです。
『USA Today』のマーク・メディナ記者によれば、イングラムはシーズン再開後にプレイするかどうかについて次のように語りました。
「(オーランドに)行くかどうかの選択肢があるようには考えていなかった。僕がそれについて疑問を抱いていないこともチームメイトは知っている。結局のところ、僕はバスケがしたいだけなんだ」
ペリカンズは948万1,458ドル(約10億2,000万円)のクオリファイング・オファーを提示することによって、イングラムを制限付きフリーエージェントにする予定であり、彼は間違いなくこのオフシーズンで最も価値のある制限付きフリーエージェントの一人となるでしょう。
しかし、多くのキャップスペースを持っているチームが少ないことや、来シーズンのサラリーキャップが減少する可能性があることを考慮すると、クオリファイング・オファーを受け入れて来シーズンに無制限フリーエージェントとなることも、イングラムにとっては悪くない選択肢です。
ただ、この決断に関してイングラムは明確な回答を避けました。
「それは間違いなくシーズンが終わってから答えること。でも今の気持ちを伝えるとするなら、このチームには満足している。この場所を気に入っているよ。とはいえ、フリーエージェントはシーズン終了後に様々な要素が絡んでくる決断だ」
少なくとも、イングラムはペリカンズに明るい将来があることを信じており、オーランドでチームが成し遂げられることについても楽しみにしています。
「僕たちは日々、より良くなるために勢いをつけていて、とてもワクワクしている。もちろん、目標には到達していないし、遠く離れている。それでも、目標とする場所には一歩一歩近づけていると思う」
現在、ペリカンズはウェスタン・カンファレンス10位につけており、同8位のメンフィス・グリズリーズとは3.5ゲーム差が離れています。
シーズン再開後の日程が非常に有利と考えられているとはいえ、ペリカンズにとってチームのトップスコアラーの存在は必要不可欠でしょう。
-
2019-20シーズン再開後に”有利”な日程のチームと”不利”な日程のチーム
続きを見る
レイカーズに在籍していた昨シーズン、イングラムは深部静脈血栓症と呼ばれる血栓が見つかったため、途中でシーズンを終えなければなりませんでした。
その怪我の懸念から、ペリカンズはイングラムのルーキー契約を延長しないことを決定しています。
しかし、今シーズンのイングラムが健康であることは誰の目から見ても明らかで、それに加えてスター選手という地位まで上ってきました。
そしてオフシーズンのフリーエージェントよりバスケットボールに集中する今、イングラムとペリカンズは目標に向けてさらに大きな一歩を踏み出せるかもしれません。