今季、サンアントニオ・スパーズのデマー・デローザンは68試合(平均34.1分)に出場し、平均22.1得点、5.5リバウンド、5.6アシストを記録し、静かながらも素晴らしいシーズンを過ごしました。
デローザンは滅多に3ポイントシュートを打たない(今季の3ポイントシュート試投数は平均0.5本)ことで知られており、それは現代のNBAで成功するための能力が欠けているように見えますが、実際のところ、彼よりも優れたスコアラーはそれほど多くないことを忘れてはいけません。
とはいえ、あくまで個人的な成功を収めていたとしても、チームとしては――特に今季のスパーズは23年ぶりにプレイオフ進出を逃しました。
そして、デローザンは来季の契約がプレイヤーオプションとなっているため、彼が望めば別のチームで競争する機会を得ることができます。
オールスター級の能力を持ったスコアラーを必要とするチームは少なくないはずです。
もちろん、デローザンがスパーズを去るかどうかはまだ分かりませんが、ここでは彼が移籍することを選んだ場合、彼にとって最も理想的であろう”5つの移籍先”を確認してみることにしましょう。
アトランタ・ホークス
今季のホークスは20勝47敗とリーグで4番目に低い成績を残しましたが、トレイ・ヤングやクリント・カペラ、ジョン・コリンズ、キャム・レディッシュといった若い選手が中核を担うロスターは、リーグ屈指の将来性があると言っても過言ではありません。
彼らが成功を収めるために何年かかるかは分かりませんが、デローザンの加入は間違いなくチームの成長を促進し、即座にプレイオフ進出に大きな期待が持てるようになるでしょう。
リーグ最年長選手であるビンス・カーターが引退をした今、キャリア11年のデローザンが若きチームに経験を与えることもできます。
デトロイト・ピストンズ
ピストンズは今季に主力センターのアンドレ・ドラモンドを放出しましたが、ブレイク・グリフィンやデリック・ローズといった頼れる主力に加え、ルーク・ケナードやクリスチャン・ウッドといった一貫性のあるサポーティングキャストも備わっています。
ここにペリメーターからの得点能力に秀でたデローザンが加入することによって、グリフィンやローズの負担は軽減され、今以上に良いパフォーマンスが発揮できるようになることを期待できます。
シャーロット・ホーネッツ
昨年のオフシーズンにケンバ・ウォーカーを失ったシャーロット・ホーネッツでしたが、今季は私たちが思っていたほど悪い成績を残したわけではありませんでした。
とはいえ、23勝42敗の成績で何もテコ入れをしなければ、来季のプレイオフ進出は望めないでしょう。
テリー・ロジアーは勝利のために必要な姿勢を持っており、デボンテ・グラハムやPJ・ワシントンなど有望な選手も居ますが、彼らが成功を収めるには頼れるリーダーが欲しいところです。
経験豊富なデローザンはまさにその役割に適任であり、ホーネッツが彼をスター級の選手と評価し、長期契約をオファーするのであれば、デローザンはそのオファーに応える価値があるかもしれません。
ニューヨーク・ニックス
NBAに限らず、ニューヨークという都市が人々に与える影響は非常に大きいため、ニックスのようなフランチャイズの顔になることは、選手のキャリアを高める上で最適だと言えるでしょう。
デローザンがチームのリーダーとして成功を収めることを望んでいるのであれば、ニックスをプレイオフに導くのはこれ以上無い機会です。
ニックスは得点能力やオールスターの経験を持った選手を切実に必要としているため、間違いなく彼は組織やファンから歓迎されるでしょう。
トロント・ラプターズ
ホークスやピストンズ、ニックスよりもサラリーキャップに余裕があるわけではないため、実現する可能性が高いとは言えないものの、デローザンにとっての”理想”という意味では古巣のラプターズが最高の移籍先かもしれません。
彼は2009年から8年間、フランチャイズの顔としてラプターズを牽引してきました。
当時からの相方であるカイル・ラウリーはまだチームの主力として活躍しており、パスカル・シアカムもデローザンが去った後に凄まじい飛躍を遂げ、今のラプターズは優勝争いができる力を十分に付けています。
もし、デローザンが8年間で成し遂げられなかった”優勝”を再び目指すことを望んでいるのであれば、デローザンとラプターズの再会も叶わないとは言い切れないでしょう。