2020年のNBAドラフト抽選で全体1位指名権を獲得したのは、ミネソタ・ティンバーウルブズでした。
しかし、彼らはゴールデンステイト・ウォリアーズやクリーブランド・キャバリアーズと並んで全体1位指名権の当選率が最も高い14.0%に設定されていたため、驚くこともなければ、決して彼らだけがドラフト抽選の勝者とは限りません。
各チームの代表者がビデオ通話を介して集った異例のドラフト抽選ではあったものの、その中身は例年と同じようにいくつかのサプライズが起き、いくつかの勝者や敗者も生み出しました。
ここでは、2020年のドラフト抽選の結果を振り返るとともに、ドラフト抽選の勝者と敗者も見ていくことにしましょう。
目次
2020 NBAドラフト抽選結果
- ミネソタ・ティンバーウルブズ
- ゴールデンステイト・ウォリアーズ
- シャーロット・ホーネッツ
- シカゴ・ブルズ
- クリーブランド・キャバリアーズ
- アトランタ・ホークス
- デトロイト・ピストンズ
- ニューヨーク・ニックス
- ワシントン・ウィザーズ
- フェニックス・サンズ
- サンアントニオ・スパーズ
- サクラメント・キングス
- ニューオーリンズ・ペリカンズ
- ボストン・セルティックス(メンフィス・グリズリーズ経由)
勝者:ミネソタ・ティンバーウルブズ(全体1位)
全体1位指名権を獲得したウルブズは、当然ながら2020年のドラフト抽選の最大の勝者です。
ジョージア大のガードであるアンソニー・エドワーズは、今年のドラフトで全体1位指名を受ける最有力候補の一人として評価されており、ディアンジェロ・ラッセルとカール・アンソニー・タウンズのデュオとの相性も期待できるでしょう。
しかし、ウルブズはアンドリュー・ウィギンスに代わる――確立されたウィングの選手をトレードで必要としているという噂もあります。
その場合でも、全体1位指名権は非常に大きな力を持つことになるでしょう。
いずれにしても、ウルブズには豊富な選択肢があるということです。
敗者:クリーブランド・キャバリアーズ(全体5位)
今季のキャバリアーズはリーグで2番目に低い成績を残していました。
その中でもルーキーのコリン・セクストンや飛躍を遂げ、ケビン・ポーターJr.も十分な活躍を残しましたが、彼らが将来的にスーパースターになるポテンシャルを秘めているかと言われれば、まだ「イエス」とは言い難いでしょう。
キャバリアーズは全体3位以内の指名権で「イエス」と呼べる選手を獲得するチャンスが大きかったにも関わらず、3位指名権にホーネッツ、4位指名権にブルズというサプライズが起きたことによって、ウルブズとウォリアーズから離れて全体5位指名権まで落ち込むことになりました。
もし、キャバリアーズが再建のために高給なベテランであるケビン・ラブを放出するとしても、全体3位以内の指名権があれば興味深い対価も期待できたかもしれませんが、全体5位指名権では苦労することになりそうです。
勝者:ゴールデンステイト・ウォリアーズ(全体2位)
ウォリアーズは全体1位指名権を逃しましたが、全体2位指名権の価値もそれほど大きな違いはありません。
来季に優勝争いに戻ることを望んでいるウォリアーズは、今回の全体2位指名権を活用してより盤石の布陣を築くことができるようになります。
洗練されたスコアラーであるエドワーズは最も魅力的な選手かもしれませんが、当然ながらウルブズが彼を全体1位で指名する可能性もあります。
ラメロ・ボールやジェームス・ワイズマンも全体1位指名候補の選手として注目を集めており、ウルブズが指名しなかった選手を獲得するという選択肢もありますが、全体2位指名権の価値をトレードに活かすことも十分に考えられるでしょう。
敗者:デトロイト・ピストンズ(全体7位)
今季、主力センターのアンドレ・ドラモンドを放出し、その対価が本当に十分であったかどうか物議を醸している中、ピストンズにとって上位のドラフト指名権は一つの救済でした。
彼らは全体1位指名権を獲得する可能性が5番目に高かったものの、残念ながら結果は全体7位指名権に終わっています。
ブレイク・グリフィンの健康上の懸念と、若い選手の不足により、ピストンズの再建は困難な道を進むことになりそうです。
勝者:シャーロット・ホーネッツ(全体3位)
フランチャイズの顔であったケンバ・ウォーカーが昨年の夏に去ったホーネッツでしたが、今季は3月のシーズン中断までに23勝を挙げてイースタン・カンファレンス10位につけるなど、人々の予想を上回る成績を残しました。
その結果、彼らはわずか6.7%の全体3位指名権を引き当て、今年のドラフト抽選で最高のサプライズを引き起こしました。
デボンテ・グラハム、マイルズ・ブリッジズ、PJ・ワシントンといった有望な若い選手が集まっていることもあり、ホーネッツの低迷は思いのほか早く終わるかもしれません。
敗者:ニューヨーク・ニックス(全体8位)
ニックスよりも全体4位以内の指名権の当選率が低かったホーネッツ、ブルズに上回られたという意味では、キャバリアーズ、ピストンズと同じようなことが言えますが、フランチャイズの境遇を考えると、最も悲惨な敗者はニックスだと言えるでしょう。
彼らは昨年のドラフト抽選でザイオン・ウィリアムソンを指名する夢を打ち砕かれ、フリーエージェントではケビン・デュラント、カイリー・アービングと契約を結ぶことも叶いませんでした。
そして今年も、上位指名が予想される選手を獲得するためには、代償として別の資産を手放さなければなりません。
ニックスの悲惨さには、ドラフト抽選でキングスの代表を務めたディアロン・フォックスもコメントせずにはいられなかったようです。
Yo I know they sick 😂😂 #8
— De'Aaron Fox (@swipathefox) August 21, 2020
ニックスは近年でもほぼ同等の指名権で2017年にフランク・ニリキナ(8位)、2018年にケビン・ノックス (9位)を指名しましたが、彼らはチームが望むほどのスター性を備えた選手へ成長できていないだけに、今年のドラフトは彼らを上回る選手を指名できるかが重要になります。