10月6日(日本時間7日)に行われたロサンゼルス・レイカーズ対マイアミ・ヒートのNBAファイナル 第4戦は、接戦の終盤に連続得点でリードを広げたレイカーズが102-96で勝利し、優勝に王手をかけました。
ここでは、そんな第4戦の勝敗を分けた2つのポイントを振り返ってみることにしましょう。
チームに勝利を引き寄せた2人の”5得点”
どちらか一方のチームがリードを維持し続けてきたこれまでの3試合とは異なり、第4戦では第4クォーター残り6分27秒にヒートが83-83の同点に追いついたことで、勝利の行方はますます分からなくなりました。
しかし、この状況からレイカーズに流れを与える2人の選手が現れました。
一人はレブロン・ジェームズです。
同点に追いつかれた直後、ジェームズはヒートのジェイ・クラウダーのファウルを受けながらレイアップを決め、その後にも再びクラウダーからフリースローをもぎ取りました。
Split the defense. And-1. That’s a King move.
— Los Angeles Lakers (@Lakers) October 7, 2020
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ジェームズが約30秒の間に記録した5得点によって、レイカーズは再びヒートと差をつけることに成功し、これ以降にレイカーズが追いつかれることはありませんでした。
もう一人はケンテイビアス・コールドウェル・ポープです。
彼は2点リードの残り2分58秒に3ポイントシュート、残り2分2秒にレイアップと立て続けに得点を記録しました。
Kentavious Clutch-Pope
— Los Angeles Lakers (@Lakers) October 7, 2020
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コールドウェル・ポープの5得点によって、レイカーズの残り2分の時点で7点差までリードを広げることに成功し、勝利の可能性は一気に高まったと言えるでしょう。
特に、この場面でのコールドウェル・ポープのステップアップは驚くべきものでした。
優勝のためにはスター選手だけでなく、チームの層の厚さも必要だと言われますが、その理由は今回の第4戦にあったようです。
必ずしもジェームズやアンソニー・デイビスのようなスター選手だけが勝利を引き寄せる存在になるとは限らず、それはNBAファイナルの舞台でも例外ではありません。
ジミー・バトラーを抑えるためのマッチアップ
レイカーズにとっての最優先事項は、第3戦で40得点、11リバウンド、13アシストと大暴れしたヒートのジミー・バトラーをどのように抑えるのか…ということでした。
そして、彼らが導き出した答えは、アンソニー・デイビスがバトラーを守るということでした。
バトラーは第4戦の第1クォーターでもフィールドゴール5本中5本成功の11得点を記録しましたが、そのほとんどはスクリーンを使うことでディフェンスをスイッチさせ、デイビスとのマッチアップを避けていたものです。
実際、バトラーはデイビスを相手に効果的になることはできませんでした。
『NBA.com/Stats』によれば、第4戦でデイビスが守った時のバトラーは、フィールドゴール5本中わずか1本成功の5得点に抑えられていたのです。
バトラーでさえデイビスから得点を挙げることがどれだけ難しいかは、以下のプレイからも明らかです。
AD's CLUTCH BLOCK TO SEAL THE @LAKERS GAME 4 WIN! #NBAFINALS pic.twitter.com/YfY56KxGIj
— NBA (@NBA) October 7, 2020
試合後、レイカーズのフランク・ボーゲルHC(ヘッドコーチ)はデイビスの働きを称賛しました。
「アンソニーのバトラーに対するマッチアップは、我々がディフェンス面で効率的である明らかに大きな要因だった。ジミーは素晴らしい選手で、彼をスローダウンさせるのも難しいが、ADは素晴らしい仕事をしてくれた」
NBA.com
バトラーは試合を通じて22得点、10リバウンド、9アシストと相変わらず素晴らしい働きをしたように見えました。
しかし、彼が第3戦よりもスローダウンした影響は大きかったようで、第4戦のヒートのオフェンシブ・レーティング(100ポゼッションあたりの平均得点)は104.3ポイントでした。
ヒートは今年のプレイオフのオフェンシブ・レーティングで113.5ポイントを記録していたことを考えると、この減少量は決して見逃せないものでしょう。
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【NBAファイナル2020】闘志を燃やすジミー・バトラーが40得点、ヒートが1勝を返す第3戦を分けた3つのポイント
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