最後にNBAチャンピオンに輝いてから5年が経ち、今のサンアントニオ・スパーズに黄金時代という言葉は見つからないでしょう。
スパーズは他のチームが羨むようなフランチャイズであり、今でも勝ち続けていることで、22年連続プレイオフ出場を決めたことは確かです。
しかし、プレイオフでは2年連続ファーストラウンド敗退を経験しており、2019-20シーズンもプレイオフ進出の保証はありません。
今のスパーズは、名将のグレッグ・ポポヴィッチHCが率い、デマー・デローザンとラマーカス・オルドリッジが中心となって勝利に導いていますが、そう遠くない未来、スパーズを牽引する人が代わる日はやってくるでしょう。
その時、誰がスパーズの将来を担っていくことになるのでしょうか?
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鍵を握るのは、スパーズの若き2人の選手――デジャンテ・マレーとデリック・ホワイトです。
マレーは2016年、ホワイトは2017年にスパーズからドラフト指名された選手であり、バックコートのデュオとしてフランチャイズを牽引することが求められるでしょう。
彼らには、将来を託せる理由があります。
マレーは、既にNBAのエリートディフェンダーの一人であり、キャリア2年目の2017-18シーズンにはオールディフェンシブチームに選出されました。
そのシーズンで、マレーよりも良いディフェンシブレーティング(100ポゼッションあたりの平均失点)を記録した選手は、わずか6人しか居ません。
オフェンス面では、ショットに関しては改善が求められるものの、プレイメイカーとしてチームに貢献することが出来ます。
昨季、プレシーズンに右膝前十字靭帯断裂を負ったことだけが懸念ですが、もし怪我をする前の運動能力を取り戻した場合、マレーは今後何年間もスパーズの中心選手として活躍することになるでしょう。
ホワイトはNBA入りを果たす前、NCAAのディビジョンⅡに属するコロラド大でプレイしていたため、大きな注目を集めていませんでした。
しかし蓋を開けてみれば、彼はインパクトのあるディフェンダーであり、印象的なジャンプ力を備え、リムへ攻めることを恐れない選手だったのです。
昨季のプレイオフのファーストラウンド、デンバー・ナゲッツとの第3戦では36得点を記録し、チームの勝利に大きく貢献しました。
そして今ではアメリカを代表して、2019 FIBAワールドカップの舞台で戦っています。
1年前のマレーと同じように、ホワイトは大きな期待と称賛を集めていると言えるでしょう。
近年、スパーズはガードやウィングの選手の補強に力を入れています。
ガードでは先述したマレーやホワイト、ウィングでは2018年に指名したロニー・ウォーカーや、今年指名したケルドン・ジョンソンが居ます。
それは、2021年の夏にデローザンがフリーエージェントとなる時のために、彼が去る、あるいは彼を去らせる準備を整えているということでしょうか?
オルドリッジも既に34歳で、年齢による衰えは間違いなくやってきます。
2020年のプレイオフは彼らに頼れても、2020年代のスパーズを引っ張っていくのは、マレーやホワイトといった選手でなければなりません。
今はまだ粗が多いかもしれませんが、間違いなくスパーズの若手2人は、将来を担うポテンシャルを秘めているはずです。