NBAがシーズン中断を余儀なくされて数日しか経っていませんが、すぐにシーズンが再開されることはないだろうという結論には、早くも至っているようです。
『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者によれば、リーグは6月中旬頃のシーズン再開を最善のシナリオだと考えています。
しかし、仮に6月中旬にシーズンを再開できるとしても、再開の方法が最も考えなければならない問題の一つであることは間違いありません。
残ったレギュラーシーズンの試合、現在のチーム成績、収益、来シーズンまでの猶予など――リーグが対処しなければならないことは山積みであり、全てを十分に解決することはおそらく不可能でしょう。
それでも時が来れば、リーグは異質な形であってもシーズン再開に対処する必要があります。
実際にシーズンが再開されるかどうかは分かりませんが、ここではシーズンが再開された場合、考えられるであろうリーグの”5つの対処法”について見ていくことにしましょう。
1. レギュラーシーズンを終了し、プレイオフを開始
これはもっともらしい対処法のように思えますが、意外にもデメリットが大きいことも知っておく必要があります。
即座にレギュラーシーズンを終わらせるメリットとしては、残された約1ヶ月分の試合を削減できるということです。
最善のシナリオでは再開が6月中旬とされていますが、もし再開がさらに遅れた場合にレギュラーシーズンを全て行えば、プレイオフを行う頃には7月下旬や8月になっている可能性もあるでしょう。
デメリットの点では、1ヶ月分の収益がほとんど消え去ることと、プレイオフ争いをしていたチームの息の根を止めてしまうことです。
特に後者は大きな問題で、ウェスタン・カンファレンスの8位(メンフィス・グリズリーズ)と12位(サンアントニオ・スパーズ)がわずか4.0ゲーム差であることを考えると、このままレギュラーシーズンを終えることに納得できない人々は多いはずです。
2. プレイオフ進出を懸けたトーナメントを行ってから、プレイオフを開始
これは、先程の(1)で出たチームの成績に関する問題を解消できる一つの方法です。
グリズリーズ、ポートランド・トレイルブレイザーズ、ニューオーリンズ・ペリカンズ、サクラメント・キングス、スパーズで、第8シードを懸けたトーナメントを行うのはどうでしょうか?
現時点で第8シードに位置するグリズリーズを最も有利にする必要はあるため、対戦は以下のようになります。
- ブレイザーズ(9位)対スパーズ(12位)
- ペリカンズ(10位)対キングス(11位)
- ブレイザーズ対スパーズの勝者と、ペリカンズ対キングス戦の勝者が対戦
- 勝ち残ったチームが、グリズリーズ(8位)と対戦
3試合制(2戦先取)のトーナメントにすれば、それほど多くの時間を取ることもないでしょう。
ただし、デメリットや懸念もあります。
このトーナメント形式だとグリズリーズがやや有利すぎること、そしてイースタン・カンファレンスでも同様のことを行うべきかということです。
8位のオーランド・マジックと9位のワシントン・ウィザーズの間は、5.5ゲーム差も開いています。
ウェストと同様にプレイオフ進出の機会を与えるべきか、それとも5.5ゲーム差を大きなものとして捉えるか――公平なのはどちらでしょうか?
3. 5試合制(3戦先取)のプレイオフの復活
レギュラーシーズンを全て行った後、従来の7試合制(4戦先取)のプレイオフではなく、5試合制のプレイオフを行うというのはどうでしょうか?
少なくとも2003年まではプレイオフの第1ラウンドが5試合制だったこともあり、それほど悪い対処法には見えないはずです。
そしてここでのメリットは、スケジュールを短縮できるだけでなく、下手に試合を追加することもないため、各チームの移動距離の問題にも気を配る必要がありません。
短期決戦となることで各試合の重要性も高まり、より熱狂的なプレイオフとなることも考えられるでしょう。
デメリットがあるとすれば、従来のプレイオフよりも試合数が減ることで収益が下がることと、シリーズで負け越しているチームの逆転の機会が減ることです。
4. 全30チームでのトーナメント
全30チームでのトーナメントは、先日ブルックリン・ネッツのスペンサー・ディンウィディーがツイッターで提案したものです。
こちらはメリット、デメリットなども含めて別の記事で紹介しているため、ここではそのトーナメントの仕組みにだけ触れておきましょう。
- リーグで最も勝率の高い4チーム(バックス、レイカーズ、ラプターズ、クリッパーズ) はシード権を獲得し、第1ラウンドをパスする
- リーグで最も勝率の低い4チーム(ホークス、キャバリアーズ、ティンバーウルブズ、ウォリアーズ)は3試合制(2勝先取)で対戦し、勝利した2チームが第1ラウンドに進める
- 第1ラウンドで24チームが5試合制(3戦先取)で対戦し、勝利した12チームが第2ラウンドへ
- 勝利した12チームと、シード権を持った4チームを含めた16チームで、従来の7試合制(4戦先取)のプレイオフを行う
5. レギュラーシーズンとプレイオフを通常通り行い、来シーズンの開幕を遅らせる
全員を幸せにするには、おそらくこれが最も適した対処法です。
2019-20シーズンの優勝を目指していたチーム、プレイオフ進出を目指していたチームなど、それぞれに目標があったことを考えると、結局のところ異質な措置を取らないことが懸命な判断なのかもしれません。
その代わり、ツケは後から回ってきます――リーグは次の2020-21シーズンについて、検討する必要が出てくるでしょう。
【投票】
- 5. レギュラーシーズンとプレイオフを通常通り行い、来シーズンの開幕を遅らせる 33%, 48 票48 票 33%48 票 - 33%
- 3. 5試合制(3戦先取)のプレイオフの復活 22%, 32 票32 票 22%32 票 - 22%
- 1. レギュラーシーズンを終了し、プレイオフを開始 19%, 28 票28 票 19%28 票 - 19%
- 2. プレイオフ進出を懸けたトーナメントを行ってから、プレイオフを開始 13%, 19 票19 票 13%19 票 - 13%
- 4. 全30チームでのトーナメント 12%, 17 票17 票 12%17 票 - 12%