マイアミ・ヒートは10月11日(日本時間12日)に行われたロサンゼルス・レイカーズとのNBAファイナル 第6戦に106-93で敗れ、優勝に一歩及ばず2019-20シーズンを終えることなりました。
それでも、ファイナル平均26.2得点、8.3リバウンド、9.8アシスト、2.2スティール、0.8ブロックと、全てのスタッツでチームをリードしたジミー・バトラーは、今のヒートをかけがえのないチームだと感じています。
「ここが自分の居場所だ。ここが自分を笑顔にする場所であり、ここが自分を幸せにする場所だ。…僕らは本当に、本当に、本当に互いに競い合うことが大好きなんだ。世界がどうなろうと、その関係は譲れない。もし自分が3ヶ月を一緒に過ごすことになれば、彼らと一緒に過ごしたいんだ」
ESPN
思い返せば、今季のヒートはサプライズチームと呼ばれてきました。
最後の3年間で1度しかプレイオフ進出を果たせなかった後、ヒートは昨年のオフシーズンにサイン&トレードという形でジミー・バトラーを迎え入れ、イースタン・カンファレンス5位でプレイオフ進出を決めました。
どこかで立ち止まるだろうと思われていたヒートでしたが、彼らは1回戦でインディアナ・ペイサーズを4勝0敗で破っただけでなく、カンファレンス準決勝で第1シードのミルウォーキー・バックスを4勝1敗で破り、カンファレンス決勝でもボストン・セルティックスを4勝2敗で破り、2014年以来となるNBAファイナル進出を決めました。
第5シードでのイースト王者は、史上初の快挙でもありました。
レブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスを擁するレイカーズとのファイナルは、決して楽な戦いではありませんでした。
特に、第2戦以降に主力のバム・アデバヨとゴラン・ドラギッチが怪我で数試合を離脱していたことは、ヒートにとって非常に厳しい問題であったはずです。
それでも彼らは最後まで戦い抜き、優勝に及ばなかったとはいえ2試合を勝ち取って見せました。
バトラーをはじめとしたヒートの選手たちのたゆまぬ労働倫理や、不屈の精神は、彼らを誇りに思うことができる十分な要因です。
第6戦を終えた後の記者会見で、ヒートのエリック・スポールストラHC(ヘッドコーチ)が最初の30秒間で涙を拭わなければならなかったことが、それを物語っているでしょう。
Erik Spoelstra wiping away tears for over 30 seconds before starting his first answer post-game. pic.twitter.com/japm0ctsht
— Will Manso (@WillManso) October 12, 2020
スポールストラHCは「今後何が起ころうと、今季やここでの経験や、ロッカールームの仲間たちを忘れることはない」と語りました。
「このような仲間たちと一緒に居られるのが、この仕事なんだと実感した。だから、私はこの仕事を続けられるんだ。このシリーズで戦った選手の中には、100%の状態ではない選手も居た。おそらくプレイするべきではなかったのかもしれないが、ここの選手たちはそんな時でも戦ってきた。彼らは互いのために戦いたいと思っていた。だからこそ、難局を乗り越えて優勝できなかったことが本当に心残りだ」
ESPN
ヒートは今季の大きな飛躍に満足するつもりはありません。
バトラーは来季もファイナルの舞台に戻り、今年以上の結果を出すことを強く望んでいます。
「僕らはここから学ぶことができる。今より良くなって戻ってきてやる。皆がロッカールームでそう言っている。早くジムに戻って練習をしたいと言う選手も居る。それこそが、ここで僕らがやっていることなんだ」
ESPN
加えて、バトラーはパット・ライリー球団社長や、スポールストラHCらと約束を交わしていたことを明かしました。
「彼らに一度は優勝すると言ったけど、約束を果たせなかった。だから、来年こそ約束を果たさないとね」
Miami Herald
バトラーが約束を果たすチャンスはまだ残っており、今季はその約束のために十分すぎるほど前進したシーズンでした。