NBAの契約で最もメジャーなものの一つとして、”マックス契約”というものがありますが、一体これはどのような契約なのでしょうか?
ここでは、マックス契約の仕組みと、その存在意義について解説しましょう。
マックス契約の仕組み
マックス契約を最も簡単な言葉で説明すれば、「規則の下で、チームと選手が可能な最大限の契約」となるでしょう。
ここで言う最大限とは、”金額”のことを表しています。
マックス契約の最大の特徴は、次シーズンのリーグのサラリーキャップによって決められるということです。
そして、それは選手がNBAでプレイした年数によっても変化します。
規則は以下の通りです。
例えば、次シーズンのリーグのサラリーキャップが1億2,000万ドルとなった場合は、マックス契約を結ぶ選手の1年目のサラリーは以下のようになります。
- 在籍6年以下の選手:3,000万ドル(25%)
- 在籍7~9年の選手:3,600万ドル(30%)
- 在籍10年以上の選手:4,200万ドル(35%)
サラリーキャップの4分の1から3分の1以上を占めることになりますから、チームがマックス契約を結ぶのは、ほぼ間違いなくスター級の選手に限られます。
ただし、先ほどから何度も記載しているように、マックス契約の金額が適用されるのは新契約の1年目だけになります。
これについては、マックス契約の存在意義で解説しましょう。
マックス契約の存在意義
NBAは優れた選手をなるべく同じチームに在籍させ続けられるように、CBA(団体交渉協定)を定めています。
マックス契約は、その代表的なものとも言えるでしょう。
まず、フリーエージェントとなる選手が元々在籍していたチームは、”最大5年間”の契約を提示することが可能になります。
一方で、他のチームは”最大4年間”の契約までしか提示できません。
それから、年間ごとの昇給にも違いがあります。
元々在籍していたチームは年間で”最大8%”の昇給ができるのに対し、他のチームは年間で”最大5%”が限度なのです。
これらの比較をすると、以下のように違いが生まれます。
これは一例ですが、選手にとって最大1億7,400万ドルが保証されているか、最大1億2,900万ドルが保証されているかの違いは、明らかに大きいでしょう。
選手は元のチームと契約した方が金銭的なメリットがあるため、必然的に残留を勧められることになるのです。
まとめ
いかがでしたか?
要約すると、マックス契約は、リーグ全体のサラリーキャップと選手の在籍年数によって金額が変動し、優れた選手をなるべく同じチームでプレイさせるためにあるというわけです。
ただし、マックス契約はこれで終わりではありません。
次回は、マックス契約の例外である”デリック・ローズ・ルール”と、”ケビン・デュラント・ルール”について解説しましょう。
お楽しみに!
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「デリック・ローズ・ルール」と「ケビン・デュラント・ルール」【NBA用語解説】
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