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早くも3人に処分が下された禁止薬物の実態

今シーズンのNBAは、悪い意味で少しおかしなことが起きています。

8月下旬にブルックリン・ネッツのウィルソン・チャンドラーからイパモレリンの陽性反応が検出されて以降、10月下旬にはフェニックス・サンズのディアンドレ・エイトンに利尿薬の陽性反応、つい先日には、アトランタ・ホークスのジョン・コリンズに成人成長ホルモン放出ペプチド-2の陽性反応が検出され、いずれの選手も25試合の出場停止処分が科されました。

スポーツ界のプロ選手に禁止薬物の陽性反応が示されるのは珍しいことではありませんが、実はNBAでこれだけの頻度は前例が無く、過去に同シーズンで2人以上の選手が陽性反応を示したことは一度もありません。

にも関わらず、70試合を残している時点で、既に3人の選手が薬物検査で引っかかっています。

私たちも禁止薬物への理解を深めると共に、今のNBAに何が起きているのか見ていきましょう。



それぞれの禁止薬物はどんな物なのか

  • チャンドラーが陽性反応を示したイパモレリンは、体脂肪を減らし、除脂肪を増加させる成長ホルモンです。
  • エイトンが陽性反応を示した利尿薬は、スポーツ選手がドーピングを隠蔽するために利用されることが多いため、禁止されています。
  • コリンズが陽性反応を示した成人成長ホルモン放出ペプチド-2は、食物摂取量の増加に利用されるものです。

NBAは禁止薬物をどのように検査しているのか

現在の団体交渉協定では、リーグは一人の選手に対してシーズン中に最大4回(成長ホルモンの場合は最大2回)、オフシーズン中に最大2回(成長ホルモンの場合は最大1回)まで、ランダムに検査することができます。

ただし、リーグは1シーズン中に計1,525回、オフシーズン中に計600回を超える検査はできません。

また一人の選手に対し、6週間では最大4回までと決められています。

選手が薬物検査を受けた場合、サンプルは「テストA」と「テストB」に分けられます。

もし「テストA」で陽性反応が出た場合、選手は「テストB」を別の研究所が検査するように要望を出すことができます。

選手が検査を拒否したり、不正行為をしようとした場合は、陽性反応として見なされます。

今シーズンは何が起きているのか

現在のNBAには総勢450人以上の選手がいますが、陽性反応が示された今回の3人を含めても、過去に陽性反応を示した選手はわずか13人しかいません。

その数はごくわずかですが、本当にそんなに少ないのでしょうか?

2011年、当時シカゴ・ブルズに在籍していたデリック・ローズは『ESPN』に対し、実際に禁止薬物を利用している選手の数は「7割」と言いました。

後に彼は発言を否定しましたが、元デンバー・ナゲッツ・ヘッドコーチのジョージ・カール氏は、2017年に自身の著書で次のように指摘しています。

私たちには、NFLやMLBよりも常に自慢できる徹底的な薬物検査プログラムがある。しかし、30年前と別の問題とはいえ、依然として薬物問題は残っている。これは気晴らしで麻薬に手を出し、問題となった愚か者よりも私を悩ませている。

私が言いたいのは、ステロイドや成長ホルモンなどの、運動能力を向上させる薬物のことだ。選手の中には、明らかにドーピングをしている人もいる。なぜあんなに怪我から早く回復するのだろうか?なぜオフシーズンにドイツへ行くのだろうか?ワークアウトのためとは思えない。

おそらく、ヨーロッパにある最新の検知困難な薬物の可能性が高い。しかし残念なことに、薬物検査は常に薬物隠蔽の2歩先を進んでいるようだ。ランス・アームストロング氏は、薬物検査で一度も失敗したことは無かった。だが、私たちは最高の科学者を雇用したいのではなく、最高のアスリートに成功してもらいたいのだ。しかし、私はこれ以上何をすれば良いのか分からない。

今シーズンは、これまで以上に多くの選手が禁止薬物を利用しているのでしょうか?

それとも、NBAが薬物検査の頻度を増やしているのでしょうか?

何が起こっているのかはほとんど定かではありませんが、今シーズンだけで3人もの選手が禁止薬物を利用していたことは事実です。



これはNBAの警告

既に3人の選手に禁止薬物の陽性反応が示され、それぞれが出場停止処分を受けています。

エイトンは昨シーズンのドラフト全体1位指名の選手で、コリンズは活躍の真っ只中にありました。

要するに、全ての選手が薬物検査の対象である――NBAはそういった警告を送っています。

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