NBAでは5年契約を結んだ選手に対し、契約の5年目にアーリー・ターミネーション・オプション(ETO)と呼ばれるオプションが付けられます。
これは5年契約の4年目を終えた選手が、5年目の契約をそのまま続行するか、破棄してフリーエージェントになるかを選ぶことのできる制度です。
そして、ユタ・ジャズのベテランガードであるマイク・コンリーは、今年のオフシーズンにETOが適用されることになります。
昨季に平均14.4得点、4.4アシストと大きく成績を落とした34歳のコンリーにとっては、来季の3,450万ドルの契約は非常に魅力的であるため、彼が契約を破棄せずジャズに残留するのは理にかなっているようにも思えます。
しかし、コンリー自身のより確実な将来と、ジャズの成功を望むのであれば、彼は来季の契約を破棄してジャズと再契約を結ぶべきかもしれません。
『Salt Lake Tribune』のエリック・ウォルデン記者は、コンリーが来季の契約も保証して2021年にフリーエージェントになることを選択した場合、彼は3年間で3,500~4,000万ドルの契約を結ぶことができるだろうと指摘しました。
ただし、それはコンリーがこれ以上成績を落とさなかった場合に限ります。
コンリーの年齢と昨季のパフォーマンスを考えると、来季にこれ以上成績を落とさないとも言い切れないでしょう。
そうであるならば、コンリーは今年のオフシーズンにフリーエージェントとなり、ジャズが4年間で7,000~7,500万ドルの再契約を提示した方が、両者にとって利益を生むことに繋がります。
コンリーの来季の契約は1,700~1,900万ドル相当になりますが、契約全体を見れば損はしておらず、むしろ長期的に契約が保証されるというメリットがあります。
一方、ジャズはそこで生まれたキャップスペースを活用することによって、バード権を行使してジョーダン・クラークソンと再契約を結んだ後に、ミッドレベル例外条項やバイアニュアル例外条項を適用して他の選手と契約を結んでも、ラグジュアリー・タックス・ラインを超えることがありません。
コンリーが来季の契約を破棄せずに3,450万ドルを受け取ると、ジャズのサラリーキャップの柔軟性が著しく失われるため、オフシーズンの補強にも悪影響を与えてしまう可能性があるのです。