ヒューストン・ロケッツのポイントガードであるラッセル・ウェストブルックと、ワシントン・ウィザーズのポイントガードであるジョン・ウォールは、どちらもトレードを望んでいることが報じられています。しかし、3年間で1億3,260万ドルの契約を残すウェストブルックも、3年間で1億3,200万ドルの契約を残すウォールも、大規模な契約のリスクから獲得を試みるチームはほとんどありません。
その代わり、ロケッツとウィザーズの間で、ウェストブルックとウォールの直接トレードの交渉が進んでいることが噂されています。当然、それは合理的なトレードであると言えるでしょう。ただ、トレード成立までの道のりは少し険しいようです。『The Athletic』のフレッド・カッツ記者は、ウィザーズがトレードにドラフト指名権を含むことを惜しんでいるため、交渉が難航していると報じました。
しかし、ウィザーズがドラフト指名権を加えることを受け入れた場合、事態は一気に加速する可能性があります。『The Athletic』のケリー・アイコ記者は、ウェストブルックとウォールのトレードが実現する可能性について「五分五分」と指摘しました。
ロケッツの2人の最高の選手(ジェームズ・ハーデン、ウェストブルック)を取り巻く不確実な状況を考えると、(ロケッツが指名権の獲得を)やめることはできません。ウェストブルックとウォールに関しては、サラリーの面でかなりクリーンな交換になり、ジェームズ・ハーデンとウォールは良好な関係を持っています。もし、ロケッツが求めているようなドラフト指名権を獲得し、クリス・ポールをトレードした際に失った資産をいくらか取り戻すのであれば、トレードが実現する可能性はずっと高くなると思います。
The Athletic
ウェストブルックとウォールの市場価値は、一般的にウェストブルックの方が上であると考えられています。その理由は、ウォールの負傷歴にあるためです。ウォールは2018年12月に左かかとの手術を行って残りのシーズンを欠場することになった後、2019年1月に左アキレス腱断裂の大怪我を負い、2019‐20シーズンの全休も余儀なくされました。そのため、ウォールはほぼ2年間に渡ってNBAでプレイしていないことになります。
また、ロケッツはウェストブルックのみならず、ジェームズ・ハーデンもトレードを要求していることが報じられていることから、再建段階に移行する可能性も十分にあり得ます。一方、ウィザーズは最優先事項であったダービス・ベルターンスとの再契約も済ませ、来季は全力でプレイオフ進出を目指すことが予想されます。
そのため、ロケッツがウィザーズに慈悲を与えるつもりは一切ありません。彼らは再建にいつ移行しても対応できるように、若い選手やドラフト指名権を蓄えようとしています。特に今年のドラフトでウィザーズが全体9位で指名したデニ・アブディヤは、ロケッツを大きく魅了できる駒の一つでしょう。
ロケッツとウィザーズは互いに莫大な契約のトレード先を探すのに苦労しているため、両チーム同士のトレードは変化を起こす最大のチャンスです。それが必ずしもトレードの実現に繋がるとは限りませんが、一つの起爆剤によって状況を左右しかねない兆候があることは事実でしょう。今のところ、その起爆剤は”ウィザーズがドラフト指名権を手放す意思”のようです。
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ロケッツとウィザーズの間で、ラッセル・ウェストブルックとジョン・ウォールを含むトレード交渉