これまでと異なり、今年のNBAはスーパースターの移籍が相次いでいます。
中でも注目すべきは”トレードの要求”であり、1月にはアンソニー・デイビス(元ニューオーリンズ・ペリカンズ)が、そして先日にはポール・ジョージが、昨年にオクラホマシティ・サンダーと4年間の長期契約を結んだにも関わらず、チームにトレードを要求しました。
NBAコミッショナーであるアダム・シルバー氏は、このような動きを問題視しており、”がっかりするようなもの”と考えています。
『New York Times』のマーク・ステイン氏は、今月ラスベガスで行われた記者会見で、シルバー氏が語っていたことを伝えました。
NBAコミッショナーのアダム・シルバー氏はラスベガスで毎年行われる記者会見で、”トレードの要求にがっかりしている”と認め、何らかの方法で”対処”する必要があると語っている。今夜も、NBAのオフシーズンが規則に基づいて行われ、フリーエージェントに関する規則を洗練するために”やるべきことがある”と繰り返し語っていた。
Silver has said repeatedly tonight that the league "has work to do" to refine free agency rules to ensure NBA offseasons operate under regulations that the league can properly enforce
— Marc Stein (@TheSteinLine) July 10, 2019
しかし、トレードの要求を本当に規制するかどうかに関しては賛否両論があるでしょう。
第一に、トレードの要求は話題を生み出し、ファンのNBAに対する関心の維持に繋がります。
トレードの内容に関しても、悪いことばかりではありません。
確かに、サンダーがジョージを手放すのは見ていて楽しいものではありませんが、代わりに彼らはロサンゼルス・クリッパーズから大量のドラフト指名権などを得ており、長期的な面では大きな利益を得ています。
トレードの要求を容認することで起きる欠点を挙げるとすれば、選手が常に移籍先を希望するため、小さな市場のチームが不利になるということでしょう。
それでも、ミルウォーキー・バックス、ユタ・ジャズ、デンバー・ナゲッツ、ポートランド・トレイルブレイザーズといったチームは、ドラフトや育成を駆使して強力なチームへと変化していきました。
もちろんファンにとっても、スーパースターがトレードを要求してチームを去るというのは”がっかりするようなもの”かもしれません。
しかし、チームは優秀な選手と引き換えに、多くの利益を取り戻すことが可能なのです。
必ずしも、トレードの要求が全面的に悪いわけではないことも心に留めておくべきでしょう。
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