ウェスタン・カンファレンスの情勢は混沌としています。
ロサンゼルス・クリッパーズはカワイ・レナードとポール・ジョージを獲得し、ロサンゼルス・レイカーズはレブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスのペアリングを完成させ、ユタ・ジャズは堅実な補強で優勝争いに名乗りを挙げ、ヒューストン・ロケッツもジェームズ・ハーデンとラッセル・ウェストブルックを再会させました。
そして今、ゴールデンステイト・ウォリアーズはドレイモンド・グリーンと4年9,700万ドルの契約延長に合意したことで、2021-22シーズンまでステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、グリーンの中核が保証され、そこにディアンジェロ・ラッセルが加わります。
ケビン・デュラントがブルックリン・ネッツへ去ったにも拘らず、他のチームが衝撃的な補強を繰り返しているにも拘らず、ウォリアーズは現時点で競争力を維持することを望みました。
その意志と、それを可能にした状況こそが、ウォリアーズが歴代屈指の偉大なチームと評される理由なのでしょう。
ウェストを制覇してきた過去5年間とは裏腹に、『Oddsmakers』でのウォリアーズの順位はウェスト6位となっています。
しかしウォリアーズは優勝を諦めておらず、トンプソンは先週『ESPN』に対し、次のように語りました。
「僕は元気になって戻り、より激しく動くだろうから、ウォリアーズの王朝が終わったと言うのはおかしいね。(優勝争いから)ウォリアーズを外すのは賢明ではないよ」
トンプソンのコメントは、あながち間違いではありません。
ウォリアーズはデュラントが加入する前の2015-16シーズンに、NBA歴代シーズン最多勝となる73勝を記録しました。
しかし一方で、当時からチームを支えていたアンドレ・イグダーラやショーン・リビングストンらが去り、トンプソンも左ひざ前十字靭帯断裂でシーズンの大半を離脱することになるのも事実です。
その結果が『Oddsmakers』のオッズにも参照されているのでしょう。
中核は以前ほど若くなく、ロスターは変わり、その他のチームは改善されたことで、ウォリアーズは特別優れたチームでは無くなりました。
それでもなお、ウォリアーズには勝利を追求できるフロントオフィスがあります。
[kanren postid="14189"]勝利の欲求の一つとして、新たに14億ドルもかけて開設されるチェイス・センターがあります。
ウォリアーズの球団社長であるリック・ウォルツ氏は、既にチケットの売り上げやスポンサーなどで20億ドルの収入が保証されていると語りました。
オークランドで成功を収め、35億ドルもの価値へと乗り上がったウォリアーズは、新天地のサンフランシスコでも成功を望んでいます。
その全ての収入は、チームが勝利する手助けとなるでしょう。
今回のグリーンとの再契約が、特にその例だと言えます。
そして先程も言ったように、それはウォリアーズが成功を収めたからこそ出来る動きなのです。
2019-20シーズンに優勝できるかどうかは別にしても、大きな変化がある中でも勝利のために手を打ち、それを可能にできたのは、ウォリアーズが歴代屈指の偉大なチームである証拠でしょう。