2019 FIBAワールドカップで敗れたバスケットボールのアメリカ代表は、2002年の世界選手権で6位に終わって以来、初めてメダルを逃すことになりました。
過去のアメリカ代表は、NBAを代表するスター選手が多く集まるようなチームでしたが、今年は多くのスター選手が出場を辞退したことで、全く異なるチームだったとも言えます。
かつてアメリカ代表の一員として、オリンピックで2度の金メダルを獲得しているコービー・ブライアント氏は、今大会でのアメリカ代表の敗北の理由をどのように捉えているのでしょうか?
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『NBC Sports』によれば、ブライアント氏は、アメリカ代表に誰が足りないかは分からないと言います。
一方で彼は記者団に対し、他国のレベルの向上があり、アメリカ代表が敗北に慣れるべきだと語りました。
「他国がアメリカに追いつくことは、問題では無い。世界の国々は長い時間をかけて、追いついてきたんだ。それもアメリカ代表が負けるところまでね。素晴らしいバスケットボールが行われている。リディームチーム(名誉挽回のためのチーム)を結成したとしても、どんなチームになったとしても、(勝つことは)簡単ではないよ」
2006年の世界選手権で金メダルを逃した後、アメリカ代表は”リディームチーム”を結成し、ブライアント氏もそれから代表としてプレイしました。
2008年の北京オリンピックでは見事に優勝し、国際大会における試合の58連勝が始まり、ブライアント氏は一度も敗北を経験していません。
しかし、ブライアント氏以外にも、レブロン・ジェームズ、ドウェイン・ウェイド、カーメロ・アンソニー、クリス・ボッシュ、クリス・ポール、ジェイソン・キッドといった名だたる選手たちを集めてなお、北京オリンピックの決勝は簡単に勝てる試合ではありませんでした。
決勝でスペイン代表と激突したアメリカ代表は、最終的に118-107で勝利を掴んだものの、第4クォーターには一時2点差まで詰められる場面もあり、終盤まで気を抜くことは出来なかったのです。
そのためブライアント氏は、今大会のアメリカ代表のロスターが、必ずしも失敗と結び付いていないとは考えていません。
「リディームチームでスペインに勝つために、厄介な第4クォーターがあったことを覚えておいてほしい。スペインを打ち負かすために、本当に終盤でプッシュが必要だったんだ。だから最高の選手を置くと言っても、まだチャレンジすることはあるだろうね」
つまり、アメリカ代表が最高の選手を揃えたしても、もはや世界には対抗できる国があるということです。
ブライアント氏にとって、本当にアメリカ代表が圧倒的だったのは、1992年のバルセロナオリンピックに出場したドリームチームだけです。
彼は、こう語りました。
「楽勝なことではない。1992年のバルセロナのドリームチームの時代は終わったんだ。彼らの時代は過ぎ去ったのだから、厳しくなるだろうね」