「ホームを守る」という点においては、フィラデルフィア・76ersはNBAで最も優れたチームの一つだと言えるでしょう。
直近2シーズン、76ersはホーム戦で61勝21敗という好成績を残した後、今シーズンはここまでホームでの10試合に全て勝利しています。
基本的に、選手はロードよりもホームでの方がパフォーマンスが良くなる傾向があるため、ホームで好成績を収めても驚くことはありません。
それでも、76ersは極端なケースに当てはまります。
76ersは直近2シーズンのホーム戦で計60勝以上を挙げたにも関わらず、ロードでは42勝40敗とほぼ勝率5割であったため、イースタン・カンファレンスで第1シードを獲得することができませんでした。
この傾向は今シーズンも続いており、現在76ersはロードで5勝7敗と負け越しています。
より興味深い数字を見てみましょう。
会場 | ディフェンシブ・レーティング | ネット・レーティング |
ホーム | 98.2(1位) | 10.6(5位) |
ロード | 107.5(10位) | -1.1(12位) |
※日本時間12月6日終了時点、()はリーグ全体での順位
ネット・レーティング(100ポゼッションあたりの得失点差)では、ホームとロードで11ポイント以上の差が付いていますが、さらに注目すべきはディフェンス面です。
ディフェンシブ・レーティングでは、ホームでリーグ1位を誇るのに対し、ロードではリーグ10位まで落ちてしまっています。
[kanren postid="16216"]76ersがリーグ最高のホームコートアドバンテージを持つチームの一つになれる理由としては、多くのファンが観戦しに来るということもあるでしょう。
実際、76ersが100試合以上連続でチケットが完売しており、直近2シーズンの観客動員数の合計はリーグ1位となっています。
そして今シーズンも、1試合あたりの観客動員数ではリーグ唯一の平均2万人超えを記録しています。
こうしたファンの熱気が、76ersのディフェンスを鼓舞すると共に、相手のオフェンスの集中力を削いでいるのでしょう。
マイアミ・ヒートのジミー・バトラーや、ユタ・ジャズのドノバン・ミッチェルといったオールスター級の選手でも、ウェルズ・ファーゴ・センターでは納得のいくパフォーマンスができていませんでした。
76esrのアル・ホーフォードは、12月2日(日本時間3日)のジャズ戦に勝利した後、ホームに集まるファンに感謝の言葉を述べています。
「それが僕たちにエネルギーや、力を与えてくれる。それが(相手との)違いをもたらしてくれることは明らかだから、僕たちはホームを守り続けないといけないんだ」
76ersのファンは、自分たちのチームへ責任を追及することを恐れていないため、下手なプレイを連発すれば、たとえ味方であろうと構わずブーイングを送ります。
しかし、76ersの選手たちはファンからのブーイングを、パフォーマンスを向上させるための呼びかけだと受け止めています。
76ersのベン・シモンズは11月30日(同12月1日)のペイサーズ戦の後、「ファンの前では負けたくない」と語りました。
「僕たちは、彼ら(ファン)の前で負けるのが怖いんだ。シクサーズにはNBAで最高のファンが居る。偏見なんかじゃないよ。どこ(の会場)に行ったって、そんな雰囲気は無い。だから僕たちは、この街に全てを与えたいと思っているし、それは大きな責任なんだ」
76ersのホームコートアドバンテージは、まさしく本物でしょう。
だからこそ、プレイオフでもその優位性を持っていなければなりません。
昨シーズンのプレイオフ、カンファレンス準決勝第7戦が76ersのホームで行われていた場合、結果は違うものになっていたでしょうか?
その答えを知ることはできませんが、彼らが最後にホームで戦えなかったのは事実です。
ホームで支配的なのは素晴らしいことですが、多才なチームであるのはもっと素晴らしいことです。
もし、再び第7戦までもつれることになった時、最高のファンの目の前で戦うためにも、ロードでの戦い方も改善が求められるでしょう。
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