ゴールデンステイト・ウォリアーズは、ここ最近のトレードでウィリー・コーリー・ステイン、アレック・バークス、グレン・ロビンソン三世らを放出した後、ついに本命のディアンジェロ・ラッセルの引き金を引きました。
ラッセルを獲得したのはシーズンを通じて常に噂されてきたミネソタ・ティンバーウルブズで、ウルブズは代わりにアンドリュー・ウィギンスや指名権をウォリアーズへ送りました。
ここでは、ディアンジェロ・ラッセルやアンドリュー・ウィギンスを含む、今シーズンのトレードの詳細と、各チームの評価を見ていきましょう。
トレード詳細
ウォリアーズの獲得 | ウルブズの獲得 |
アンドリュー・ウィギンス
2021年1巡目指名権(トップ3保護) 2022年2巡目指名権 |
ディアンジェロ・ラッセル
オマリ・スペルマン ジェイコブ・エバンス |
各チームの評価
ゴールデンステイト・ウォリアーズ
昨年の夏に、ゴールデンステイト・ウォリアーズがディアンジェロ・ラッセルを獲得するために4年1億1,700万ドルのマックス契約を結んだ時、あまりにも過大評価された契約で、彼がトレード市場においてマイナスの資産になってしまうのではないかという懸念もありました。
しかしウォリアーズは、2018-19シーズンにラッセルがオールスターに出場したことを正当化し、少なくとも契約が正当なものであったと感じるまでラッセルを最大限に活かしました。
一方で、アンドリュー・ウィギンスは負の資産として評価されている代表的な選手の一人で、リーグのチームの中には主力選手はもちろんのこと、ドラフト指名権を得ても彼を欲しがらないチームはあったでしょう。
つまりウォリアーズは、ウィギンスがラッセルのアップグレードとなることに対し、非常に大きな期待と賭けをしていることになります。
ウォリアーズはウィギンスの他にも、2021年の1巡目指名権を獲得しましたが、これも今回のトレードで注目したいポイントの一つだと言えるでしょう。
当初、ウルブズはウォリアーズへ2020年の1巡目指名権を提示したと伝えられていますが、ウォリアーズは既に2020年のドラフトで高い順位の指名権を得られると予想されています。
さらに今年のドラフトクラスは、それほど強力な選手が集まっているとは考えられていません。
そのため、ウォリアーズはトップ3が保護された2021年の1巡目指名権を獲得することでトレードを受け入れました。
また、ラッセルを獲得したからといってウルブズがプレイオフに進出できるとも限らないため、この1巡目指名権には潜在的な期待を持つこともできるでしょう。
ちなみに、2022年の2巡目指名権はお飾りのようなものですが、ここ最近のトレードでもウォリアーズは大量の2巡目指名権を獲得しているため、かつてはもぬけの殻だったはずの彼らの懐は大きく膨らんでいます。
それから、今回のトレードでウォリアーズにとってウィギンスと同じくらい大きな価値のあるものがあり、それはラグジュアリー・タックスのペナルティを逃れられるということです。
NBAでは贅沢税を4シーズンのうち3シーズンで支払うことになった場合、より厳しいペナルティが課せられることになっており、ウォリアーズはこのペナルティだけで5,000万ドルを支払うことになると見られていました。
しかし、今回のトレードでオマリ・スペルマンやジェイコブ・エバンスも放出したことによって、ウォリアーズは贅沢税の支払いをする必要が無くなったのです。
とはいえ結局のところ、ウィギンスがウォリアーズの期待に応えられるかどうかで、ウォリアーズの評価は大きく左右されます。
ただ、ウィギンスは主要なスコアラーとして得点することに苦しんできたものの、ステフィン・カリーやクレイ・トンプソンの居るウォリアーズは、それほど大きなものを背負い込む必要がないというのは大きな利点です。
さらにウィギンスはオフボールの動きに優れた選手であり、オフボールの動きはウォリアーズがオフェンスで重要視することの一つであるため、プレイスタイルという点でもラッセルより適合するでしょう。
ミネソタ・ティンバーウルブズ
前述したように、ディアンジェロ・ラッセルとアンドリュー・ウィギンスの大きな違いは、多額の契約を結んでいる中でもラッセルは結果を残し、契約が正当化されているということです。
これはポジションの必要性を考慮する以前に、ウルブズにとって大きな勝利だと言えるでしょう。
そして現代のNBAでは、ポイントガードからの脅威なしに何かを成し遂げることは難しく、その点でラッセルは大きな起爆剤となることができます。
ラッセルは優れたショットクリエイター、パサーであり、カール・アンソニー・タウンズとも親しいため、おそらくケミストリーや補完的な才能は短期間で開花するでしょう。
一方でディフェンス面の懸念は残っており、タウンズは優れたディフェンダーとは呼べない上に、ラッセルはマイナス要素のあるディフェンダーでもあり、ウルブズは別のトレードでロバート・コビントンも放出しました。
ジャレット・カルバーやジョシュ・オコーギー、マリーク・ビーズリーは優秀なディフェンダーになれる可能性がありますが、やはり最もコートに長く立つであろうタウンズとラッセルのディフェンスは、今後の課題となりそうです。
とはいえ、ウルブズは昨年の夏にラッセルの獲得を逃し、ウィギンスとの契約に後悔していたことが両方とも修正されたため、今ではトレードを成立させられたことに安堵の表情を浮かべているでしょう。
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