ニューオーリンズ・ペリカンズの23歳のガードであるロンゾ・ボールは今季、思わぬパフォーマンスの低下に苦戦しています。ここまでの17試合で平均12.9得点、3.9リバウンド、4.6アシスト、1.5スティール、フィールドゴール成功率 40.8%、3ポイントシュート成功率 33.9%を記録しており、そのうちアシストと3ポイントシュート成功率は、昨季と比較すると大きく数字を落としています。
ペリカンズは8勝12敗でウェスタン・カンファレンス13位につけており、全てがボールの責任ではないものの、チームは状況を改善するために彼のトレードを聞き入れています。しかしシーズンが進んだ今、ボールがペリカンズに与えている影響も徐々に明らかになってきました。
その影響とはボールの”生産性”のことを指します。彼の生産性は意外にもペリカンズの勝敗に直結しており、それも決して大きな数字に頼っているわけではありません。ボールが出場した今季17試合のうち、彼が16得点以上を記録した試合でペリカンズは5勝1敗を記録している一方、16得点未満に終わった試合では2勝9敗となっているのです。
ボールの生産性がどれだけ重要であるかは、チーム内でも知れ渡っているようです。『Times-Picayune』のスコット・クシュナー記者によれば、ペリカンズのスタン・ヴァン・ガンディHC(ヘッドコーチ)は、得点に積極的になるときのボールの影響力について「非常に大きい」と語りました。
「彼はボールを持つことで動きをコントロールしている。ボールを捌き、良い判断を下して、ショットを決めることができれば、我々のオフェンスはもっと良くなるだろう」
チームメイトに言わせれば、ボールが与えている影響は得点だけではありません。スターのブランドン・イングラムは、ボールについて「彼がチームのトップ」と語りました。
「彼はオフェンスで動いているし、トランジションではボールをプッシュしている。ミッドレンジも打っている。最後の数試合は良いプレイができていると思うし、それがチームを助けるために彼に必要なものだ」
イングラムはまた、ボールが自身のトレードの噂を認識しながらも、常にチームメイトのために戦う準備を整えていることを明かしました。
「彼は自分がトレードされるかもしれないということを分かっているけど、それに上手く対処している。彼は力強いパフォーマンスを見せる準備をしていて、コート上では仲間のためにプレイしている」
ボールがトレード対象として見なされる理由の一つは、彼の一貫性の欠如かもしれません。1月29日(日本時間30日)のミルウォーキー・バックス戦では27得点を記録してチームの勝利に貢献した一方、翌日のヒューストン・ロケッツ戦ではわずか7得点に終わりました。
それは言い換えれば、ボールが好調な時にペリカンズの最高の瞬間が垣間見えているという意味でもあります。ボールの若さはトレードを実行する上で興味深い見返りに繋がるかもしれませんが、ペリカンズが彼のポテンシャルを辛抱強く信じ続けることができれば、彼らはトレード以上に良い見返りを得られるかもしれません。
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ペリカンズはロンゾ・ボールのトレードで大きな見返りを求めている?