ケビン・デュラントとゴールデンステイト・ウォリアーズの終わり方は、決して望んでいたような形ではありませんでした。3連覇が目前に迫った2019年のNBAファイナル――デュラントは第5戦でアキレス腱断裂という大怪我を負い、最終的にウォリアーズも2勝4敗で優勝を逃すことになったためです。そして同年のオフシーズン、フリーエージェントとなったデュラントはブルックリン・ネッツに移籍しました。
しかし、だからといって彼らの間に遺恨や禍根が残るわけではありませんでした。デュラントがウォリアーズで過ごした3シーズンの全てで彼らはNBAファイナルに進出し、そのうちの2シーズンで優勝を成し遂げ、デュラント自身もその両方でファイナルMVPを受賞しました。ウォリアーズがデュラントに感謝しているのと同じくらい、デュラントはウォリアーズで過ごした時間を貴重な体験だと感じています。
デュラントは2月13日(日本時間14日)のウォリアーズ戦で、古巣のホームが位置するベイエリアに移籍後初めて戻ってきました。既に敵同士とはいえ、当然ながらウォリアーズはデュラントを歓迎し、試合の第1クォーターには彼のトリビュートビデオを流しました。
The Dubs welcome KD back to The Bay 💯 pic.twitter.com/9ctbo7fXMr
— Warriors on NBCS (@NBCSWarriors) February 14, 2021
『NBC Sports』のインタビューに応じたデュラントは、トリビュートビデオについて「素晴らしかった」と称賛するとともに、今でもウォリアーズでの時間を思い返していることを語りました。
「当時の瞬間を毎日考えているよ。僕はこのリーグで経験した全ての瞬間を考えて、分析して、改善に繋げているんだ。ゴールデンステイトで過ごした時間はとても楽しかった。特にバスケの試合を違った形で学ぶという点で、大きな学習体験だった。トリビュートビデオは素晴らしかったけど、その出来事は僕の頭の中でも常に再生されている」
デュラントが2016年にフリーエージェントでウォリアーズに加入する前シーズン、ウォリアーズは3ポイントシュートを主体とする新たなスタイルでリーグを支配し、レギュラーシーズンの歴代最多勝記録を更新したばかりでした。そこにリーグ最高の選手の一人であるデュラントが加わることは、彼にとっても、リーグにとって未知のことでした。
彼らの関係は良い状態で終わっていました。その証拠としてデュラントは試合後、元チームメイトのステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンらと互いを称え合いました。
Hugs all around after KD's first game back in the Bay Area 🤝 pic.twitter.com/qxuhy2A1KE
— SportsCenter (@SportsCenter) February 14, 2021
さらに『ESPN』のマリカ・アンドリュース記者によれば、デュラントはアキレス腱断裂で離脱中のトンプソンに対して、同じ怪我を経験した身として「週に数回」のアドバイスを送っているようです。
Kevin Durant said he and Klay Thompson talk "a couple times a week", as Thompson continues to rehab from his Achilles injury. "Obviously, I know what that process is like," Durant said, adding that he knows Thompson is itching to get back out on the floor to shoot.
— Malika Andrews (@malika_andrews) February 14, 2021
デュラントは今、カイリー・アービング、ジェームズ・ハーデンの”ビッグ3”で新たな歴史を築き上げようとしています。そこには少なからず、ウォリアーズで得た経験や知識も活かされているでしょう。
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ケビン・デュラントのウォリアーズ移籍は”楽な選択”だったのか