考察

ジェームズ・ハーデンを抑えるジャズのディフェンスは成功?それとも失敗?

レギュラーシーズン終盤、ミルウォーキー・バックスがヒューストン・ロケッツのジェームズ・ハーデンを抑えるために画策したディフェンスは興味深いものだったと言えるでしょう。

この試合でハーデンは23得点(FG 9-26)に抑えられ、バックスは108-94で見事に快勝しました。

そんな効果的なディフェンスを目の当たりした今、プレイオフのファーストラウンド第1戦でユタ・ジャズがロケッツにそれを仕向けるのは明らかでした。

ジャズのリッキー・ルビオは、基本的にハーデンの利き手でもある左側を封じ、右側に誘導させようとしています。

一つ知っておきたいのは、”ハーデンだけ”を守ることに関しては十分に成功しているということです。

この日ハーデンは29得点を挙げていますが、フィールドゴールは26本中11本の成功で、貰うのが得意なフリースローもわずか3本に留まっています。

しかしロケッツは122-90で大勝しました。

『StatMuse』によれば、32点差での敗戦はジャズのプレイオフにとって球団史上2番目に最悪の記録となっています。

それはなぜでしょうか?

理由は簡単で、先述したようにジャズは”ハーデンだけ”を守ろうとしているからです。

ルビオが右側にドライブさせたとして、ペイント内にはリーグで最もディフェンスに優れた選手の一人であるルディ・ゴベアが待ち構えていますが、ロケッツはどう対応するのか見てみましょう。

ロケッツにとってはハーデンでもクリス・ポールでも同じことで、ゴベアに向かってドライブすることで注意を引き、最後はクリント・カペラにロブパスを送ります。

もちろんゴベアが前に出ないという選択肢もありますが、そうすれば間違いなくオープンな状態でプルアップショットを打たれることになるでしょう。

周りのディフェンダーはどこを守っていましたか?

バックスのディフェンスと比較すれば一目瞭然であり、バックスはロケッツのあらゆるオフェンスの手段を封じようとしていました。

しかしジャズのディフェンスはハーデンの得点を封じているだけであり、その他へのディフェンスが完全に疎かになっています。

結局ゴベアはほぼ全てのポゼッションでジレンマに陥り、彼のプラスマイナスはチーム最低の-23を記録しました。

ハーデンが比較的抑えられた試合でこの内容ですから、特に彼のオフェンスが爆発すればジャズは為す術が無くなるかもしれません。

試合後、ハーデンはこう語りました。

「文字通り、あらゆる戦略的なディフェンスをするチームを見てきたからね。」

ジャズがハーデンを抑えたいだけであったなら、それは成功だと言えるでしょう。

しかし試合に勝ち、次のラウンドに駒を進めたいと考えているのであれば、今回のディフェンスは明らかな失敗だと言うべきですね。

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