トロント・ラプターズのカワイ・レナードが決めた歴史的なブザービーターは、同時にフィラデルフィア・76ersのシーズンを終えることを告げるものでもありました。
そしてその中でも、76ersのジョエル・エンビードは、誰よりも悔しさを感情に出し、涙を流してコートを後にしています。
エンビードは涙の理由について、こう語りました。
「こんな負け方をしたんだ。最後のショットだ。僕たちにもチャンスがあると思っていた。多くのことが頭をよぎったよ。そして最悪だった。わからない。説明できない。ただ最悪だったんだ。」
感情的になる25歳のエンビードに声をかけたのは、ラプターズのベテランであるマーク・ガソルでした。
彼にどんな言葉を貰ったのか、エンビードは明かします。
「この瞬間、この場所に居ることが、僕のキャリアを成長させるということを伝えてくれたんだ。」
エンビードのキャリアは、今後の76ersの全体像がどうなるかによっても左右されるでしょう。
特にスターターの3人、ジミー・バトラー、トバイアス・ハリス、JJ・レディックは、今夏にフリーエージェントを迎えます。(バトラーはプレイヤーオプション)
76ersのブレット・ブラウンHCは、次のように語りました。
「我々のスターターは、NBA全体と同じくらいの才能があると思う。我々は前進し、(フロントは)出来る限りスターターを維持し続けようと試みる。私の仕事ではない。(ゼネラルマネージャーの)エルトン(ブランド氏)は、この点において素晴らしいだろうね。」
加えてブラウンHCは、ブランド氏の仕事がどれだけ保証できるかについても語っています。
「内部で、そのようなことについてたくさん話し合ったんだ。このチームは、それに対応できるよ。」
実際のところ、エンビード、バトラー、ハリス、レディック、ベン・シモンズの5人のスターターが一緒にプレイしたのは、プレイオフを合わせてわずか21試合しかありません。
これが今夏のフリーエージェントにどう影響するかは、興味深いところです。
シモンズは5人のスターターについて、次のように語りました。
「僕たちは、このグループで長い間一緒にプレイしたわけじゃなかった。でも、たくさんのポテンシャルを秘めている。今居るみんなは、一緒に居た最後の数ヶ月でとても成長したんだ。僕はみんなを誇りに思うよ。」
一方で、バトラーは今後のことについての言及を避けています。
「今のところ心配はしていない。負けたばかりなんだ。バスケットボール以外の話はしたくないよ。」
今後の76ersが、エンビードのキャリアがどうなるかは、正直誰にも分かりません。
しかし少なくとも、この日エンビードが感じた悔しさは、ガソルが伝えたように、エンビードのキャリアを成長させるための糧となるはずです。
今と同じメンバーがフロアに立っている保証はありませんが、エンビードを中心とした76ersは、きっと再びこの舞台に戻り、先に進む姿を見せてくれることでしょう。