シカゴ・ブルズの今夏の最優先事項の一つとして、ポイントガードの獲得は必須だと言えるでしょう。
問題は誰を獲得するのかということですが、幸いにもブルズには様々な選択肢があります。
全体7位指名権を使って、有望なポイントガードの選手を指名するか、あるいはその指名権をトレードに含め、他チームからフィットしそうな選手を連れてくるか、それとも2,000万ドル以上のキャップスペースを活用して、フリーエージェントの選手を獲得するのか…
今回は、ドラフト、トレード、フリーエージェントのそれぞれから、ブルズが獲得できる見込みのある選手を見ていくことにしましょう。
ドラフト
ザイオン・ウィリアムソンや、ジャ・モラントといった選手を獲得できないと分かった以上、ブルズが次に注目する選手はヴァンダービルト大のダリアス・ガーランドか、ノースカロライナ大のコビー・ホワイトになります。
ただ、ここで問題となるのが、ポイントガードを必要としているメンフィス・グリズリーズやフェニックス・サンズ、それからアンソニー・デイビスの獲得のために、ロンゾ・ボールを手放して新たなポイントガードを獲得するかもしれないロサンゼルス・レイカーズが、ブルズよりも前に指名権を持っていることです。
ガーランドは半月板の損傷により、大学での唯一のシーズンにわずか5試合しか出場しませんでしたが、それでも複数のリーグのエグゼクティブは、レイカーズかサンズが獲得すると仮定しました。
ホワイトは選ばれたチームと面談した後、指名の約束をしたという憶測が飛び交っていますが、ある2人のリーグのエグゼクティブは、それがブルズよりも前に指名するチームだと考えています。
とはいえ、あくまで確定的な情報とは言い難いことから、もしもガーランドかホワイトが残っており、ブルズが指名権を手放す気が無いのであれば、どちらかにユニフォームを着せることができるでしょう。
トレード
最も合理的なターゲットは、レイカーズのロンゾ・ボールと、グリズリーズのマイク・コンリーです。
複数のリーグのエグゼクティブによると、ブルズのポイントガードであるクリス・ダンをトレードしようとしても、トレードの価値が低いか、あるいはトレードできるほどでもないと考えられているため、おそらく全体7位指名権を含めたとしても、レイカーズと直接するのは不可能に近いでしょう。
しかし、レイカーズはデイビスを獲得しようと試みていることから、3チーム間トレードが実現すれば、可能性は十分に考えられます。
そして、ボールはパスを第一としてポイントガードであるため、ラウリ・マルッカネンやザック・ラビーン、ウェンデル・カーターJr.らの才能を引き出せるはずです。
ブルズがコンリーにどれほど関心を持っているかは不明ですが、ほとんどのリーグのエグゼクティブはグリズリーズがモラントを獲得すると考えていますし、シーズン途中にマーク・ガソルをトレードして再建を始めたことからも、グリズリーズがコンリーを手放すのはあり得ることでしょう。
コンリーは今後2シーズンで6,700万ドルの契約を結んでいますが、ブルズのオットー・ポーターJr.もそれに匹敵します。
しかし問題もあり、ブルズに契約切れの選手が何人かいることを考えると、コンリーのサラリーがキャップスペースを埋め尽くすのを避けるために、少なくとも新たにサラリーキャップが決定される7月1日までは待つ必要があるでしょう。
加えて、ブルズの球団副社長であるジョン・パクソン氏は、全体7位指名権のトレードについてオープンだと語ったものの、グリズリーズが何を求めるのか分からない部分も懸念点だと言えます。
フリーエージェント
無制限フリーエージェントでは、パトリック・ベバリー(ロサンゼルス・クリッパーズ)、ダレン・コリソン(インディアナ・ペイサーズ)、リッキー・ルビオ(ユタ・ジャズ)、デリック・ローズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)に、ブルズは関心を持っています。
制限付きフリーエージェントでは、マルコム・ブログドン(ミルウォーキー・バックス)やテリー・ロジアー(ボストン・セルティックス)のようです。
最も興味深い選手といえば、ブログドンでしょう。
今季、ブログドンは史上8人目となる50-40-90(FG成功率50%、3P成功率40%、FT成功率90%)を達成した選手ですが、バックスは今夏に多くの契約切れの選手を抱えていることから、ブルズにも契約のチャンスがあるかもしれません。
また、NBAではクローン病に対する見直しがされたことで、ブルズはオメール・アーシックとの契約を破棄できる可能性を楽観視しており、そうなれば彼らは2,000~2,100万ドルのキャップスペースに、300万ドルを上乗せできることになります。