カンファレンス決勝の舞台で、ゴールデンステイト・ウォリアーズのドレイモンド・グリーンはキャリア最高とも呼べるパフォーマンスを見せ続けました。
シリーズを通じて平均16.5得点、11.8リバウンド、8.8アシストを記録し、第4戦のオーバータイムでもクラッチタイムにスリーポイントシュートを決め、チームのスウィープ(4勝0敗)に多大な貢献をしています。
選手やコーチ、メディアは、何日間にも渡ってグリーンを称賛し、第3戦の後にはウォリアーズのスティーブ・カーHCが、グリーンのことを「レッキング・ボール(巨大な鉄球のような衝撃)」だと評価しました。
だからこそ、あの選手がいかに歴史的なパフォーマンスをしていたか、気付けなかったのかもしれません。
――そう、ウォリアーズのステフィン・カリーのことです。
カリーは第4戦でも37得点を挙げ、彼はシリーズにおける得点でキャリア最高の平均36.5得点を記録しました。
これはNBAの歴史上、4試合でスウィープを決めたチームの選手のうち、最も平均得点が高い選手となっているのです。
シリーズ | 選手 | 平均得点 |
2019年 カンファレンス決勝 | ステフィン・カリー | 36.5 |
2002年 NBAファイナル | シャキール・オニール | 36.3 |
2017年 カンファレンス準決勝 | レブロン・ジェームズ | 36.0 |
2001年 カンファレンス準決勝 | コービー・ブライアント | 35.0 |
1974年 カンファレンス決勝 | カリーム・アブドゥル・ジャバー | 34.8 |
2018年 カンファレンス準決勝 | レブロン・ジェームズ | 34.0 |
もう一つ、カリーがこのシリーズで決めた26本のスリーポイントシュートもまた、スウィープしたチームの選手としてはNBA史上最多の成功数となっています。
そして驚くべきことに、第4戦でカリーは37得点に加え、13リバウンド、11アシストのトリプルダブルを記録しました。
グリーンも同様に18得点、14リバウンド、11アシストを記録しており、プレイオフの1試合で同チームの2選手がトリプルダブルを記録するのは、NBAのプレイオフ史上初の出来事です。
試合後、カリーはこう語りました。
「まだ、当然のこととは思わないね。このレベルで終わらせるのが、どれだけ難しいかは理解している。それをコントロール出来る限りは、終わらせたくないよ。」
ケビン・デュラントが、ヒューストン・ロケッツとのカンファレンス準決勝第5戦で負傷し、ウォリアーズは不完全な状態となったにも関わらず、彼らはその日以降6連勝を飾っています。
まさにカリーの言葉通り、当然なことではないでしょう。
カーHCは、次のように語りました。
「ここに居る選手たちや、彼らが築き上げてきた競争的な欲求について、私は言葉が見当たらない。ケビンが居なくても最後の5試合を本当にタフに戦い、みんなが大きく進歩したんだ。」
史上4チーム目となる3連覇は、着々と近づいています。
必要なのは注意を怠らないこと、慢心しないことでしょう。