トロント・ラプターズのカワイ・レナードは、依然として今夏の移籍先の情報が欠けたままです。
ラプターズ、ロサンゼルス・レイカーズ、ロサンゼルス・クリッパーズのいずれかに移籍するというのは確実性の高い情報ですが、どこに向かうのか正確なことは分かりません。
では、レナードがこれら3チームに移籍するメリットとは何でしょうか?
レナードが移籍先で求めるものを、それぞれ見ていくことにしましょう。
トロント・ラプターズ
もう一度チャンピオンに輝きたいという野心があれば、ラプターズに戻るのは最も確実な選択肢です。
2018-19シーズンで優勝できたという事実もそうですが、今夏はライバルチームの衰退がありました。
ミルウォーキー・バックスはマルコム・ブログドンが去り、フィラデルフィア・76ersはジミー・バトラーが去り、ボストン・セルティックスはカイリー・アービングが去り、ブルックリン・ネッツはケビン・デュラントが出場できません。
一方でラプターズはレナードが戻れば失うものはほぼ無い(ダニー・グリーンのみ)ため、2連覇を狙う絶好の機会となります。
ただし、5年間のマックス契約を結ぶことに、期待はしない方がいいでしょう。
理由は2つあります。
一つは、10年間NBAでプレイすれば、より大金が得られるということです。
現在8年目を終えたレナードは、今マックス契約を結ぶとサラリーキャップの30%しか得られませんが、2年後の10年目を終えた際にマックス契約を結べば、サラリーキャップの35%で契約できるようになります。
もう一つは、ラプターズが長期的に繁栄する保証が無いということです。
カイル・ラウリー、マーク・ガソル、フレッド・ヴァンブリート、サージ・イバカらは来夏にフリーエージェントとなり、ラプターズは優勝のために必要なピースを失うかもしれません。
それでも、短期的な成功をレナードが望むのであれば、彼はラプターズに戻ってくるでしょう。
ロサンゼルス・レイカーズ
レブロン・ジェームズ、アンソニー・デイビスの輪に加わり、スーパーチームの一員としてプレイしたいという欲望があるなら、レナードはレイカーズに移籍します。
もう少しポジティブに言い換えれば、レナードの負担はかなり減ることでしょう。
加えて、レナードがロサンゼルス近郊のカリフォルニア州リバーサイドの出身であること、ロサンゼルスという都市、レイカーズというブランドという点でも、魅力的な部分は多く存在します。
その代わり、成功を収められるかどうかは分かりません。
レブロン、デイビスが居るとはいえ、チーム全体の選手層は非常に薄く、フランク・ボーゲル新HCの手腕も不確実性の高い要素です。
レナードはチームの選手層の重要性を、優勝を通じて感じました。
それでも確実性より好奇心が上回るのであれば、レナードにレイカーズはうってつけです。
ロサンゼルス・クリッパーズ
レナードがクリッパーズに惹かれる要素は何でしょうか?
先述したように、レナードの出身とロサンゼルスという都市については、クリッパーズにも同じことが当てはまります。
これらに加えて、クリッパーズはレイカーズには無い――優れたロールプレイヤーが多く在籍していると言えるでしょう。
ヘッドコーチもまた、リーグで最も評価された人物の一人であるドック・リバースHCです。
優勝のために必要な要素という意味ではラプターズに劣るものの、レイカーズには勝っているようにも思えます。
一見すると売り文句が無いようなクリッパーズですが、彼らも確実性を秘めており、レナードのコート内外での充実には最も適しているかもしれません。