昨季、シカゴ・ブルズはシーズン60敗を記録しました。
しかし、彼らは過去2シーズンに渡って、チームをゼロから再構築し、多大な努力を重ねています。
今のブルズは、マイケル・ジョーダンが1990年代に6度の優勝をもたらした時以来となる、最高のチーム状態と言っても過言ではありません。
その理由を見ていきましょう。
実を結びつつあるジミー・バトラーのトレード
全ての再出発は2017年のNBAドラフトで、ブルズがミネソタ・ティンバーウルブズとトレードを行い、ジミー・バトラーを放出する代わりにザック・ラビーンを獲得したところからです。
今では、ラビーンはシカゴが誇るべきスターに変貌したと言えるでしょう。
昨季、彼は1試合あたり平均23.7得点、4.7リバウンド、4.5アシスト、FG成功率 46.7%、3P成功率 37.4%を記録しました。
特にショットの精度が大幅に改善されたことが、ラビーンを成長させる最大の理由となっています。
ブルズはラビーンをトレードすることもいとわないとされていましたが、それで得られるものは本当に意味がありません。
堅実なフリーエージェント
ブルズはトップクラスのフリーエージェントを狙ってはいませんでしたが、代わりにチームを支えられる優秀な選手を獲得しました。
サディアス・ヤングは、過去10年間で最も過小評価されている選手の一人です。
12年のキャリアを持つヤングは、ルーキーイヤーを除く全てのシーズンで、平均11.0得点、5.0リバウンド以上の成績を残しているため、爆発力はなくとも安定性をもたらすでしょう。
トーマス・サトランスキーは本数こそ多くないものの、精度の高いアウトサイドシュートを放つことができます。
過去2シーズンの平均3P成功率は40%を超え、さらに昨季は平均5.0アシストを記録するなど、ポイントガードとしての役割をきっちりこなすことができるプレイヤーです。
ラウリ・マルッカネンが次期スター候補
これもまた、バトラーをトレードしたことで得た恩恵だと言えます。
このトレードにより、2017年のドラフト全体7位指名でラウリ・マルッカネンがブルズに加わることになりました。
2年目となる昨季は、右ひじの負傷でシーズン序盤の欠場を余儀なくされたものの、復帰後は52試合で平均18.7得点、9.0リバウンドを記録しています。
また、7フッター(約213cm)でありながら、3P成功率 36.1%を記録した部分も、十分に評価できるところでしょう。
22歳のマルッカネンは、スターへの階段を着実に上っているようです。
もう一人の希望となるウェンデル・カーターJr.
昨年のドラフトで全体7位指名を受けたウェンデル・カーターJr.が、ルカ・ドンチッチやトレイ・ヤングのようなインパクトを残すようなことはありませんでした。
しかし、1試合あたり平均10.3得点、7.0リバウンドという成績は、ルーキーイヤーとしては十分なものでしょう。
問題は、1月に左手親指を負傷したことで残り試合を欠場し、出場試合数がわずか44試合に終わったことです。
ブルズのもう一人の希望となるカーターJr.が、2年目に万全な状態でステップアップできるかどうかは重要となります。
そして先月のドラフトでは、ブルズは全体7位でポイントガードのコービー・ホワイトを指名しました。
彼はシュート優先型と評価されており、ラビーンと役割が被る可能性があります。
それでもホワイトやサトランスキーの獲得は、クリス・ダンよりも明らかなアップグレードとなるでしょう。
ホワイト or サトランスキー、ラビーン、カーターJr.、マルッカネン、ヤングからなるスターティングラインナップは、かなり興味深いものです。
イースタン・カンファレンスの上位チームを倒すだけの力は無いにしても、2019-20シーズンにブルズが7位や8位でプレイオフに進めば驚くことはありません。
このチームが誇るべき若く豊富なタレントによって、ブルズの将来は非常に明るく見えるでしょう。