今年のユタ・ジャズの夏は、昨年と異なり大胆かつ巧みな動きを見せました。
マイク・コンリーをメンフィス・グリズリーズからトレードで獲得し、さらには昨季インディアナ・ペイサーズで81試合に出場し、平均3P成功率 42.5%を記録したボーヤン・ボグダノビッチとも、4年7,300万ドルの契約を結んでいます。
その後も、エド・デイビス、ジェフ・グリーン、エマニュエル・ムディエイといった堅実な補強を重ねたことで、今では来季の優勝予想のオッズでリーグ7番目に位置するまで変貌しました。
既に、若くダイナミックなシューティングガードであるドノバン・ミッチェルと、リーグNo.1ディフェンダーのルディ・ゴベアが居ることを考えれば、ジャズの来季は期待できるものでしょう。
キャリア13年目にして初の移籍を経験するコンリーも、新天地での戦いに胸を躍らせています。
「みんな、(優勝という)希望を持つチャンスがあることを理解していると思う。俺たち全員が優勝したいと思っているよ。特に俺自身、キャリア全体を通して探し求めていたものであり、近づきながらも、決して乗り越えることができなかったものだからね。今こそ時が来たようだ。今年は特に、トップレベルの選手やトップ5、トップ10の3人が揃うチームはそれほど多くない。分裂しているから、素晴らしいチャンスだよ。シーズンを送る中で改善し続け、終わり頃には準備が整っているだろうね」
コンリーの言ったように、今年の夏の動きによりNBAはスーパーチームという概念が無くなっています。
ゴールデンステイト・ウォリアーズからケビン・デュラントが去り、ロサンゼルス・レイカーズは3人目のスターを獲得することが出来ませんでした。
だからと言って、ウェスタン・カンファレンスの争いが静まることはありませんが、それでも絶対王者と呼べる存在が無くなったのは大きなチャンスでしょう。
ボグダノビッチもまた、ジャズの一員となることに興奮しています。
「みんなにとって素晴らしい。この文化と組織の一部となり、今のリーグで最も層の厚いロスターの一人であることに興奮しているよ」
カワイ・レナードが、ロサンゼルス・クリッパーズにポール・ジョージを勧誘した時のように、ボグダノビッチもまた、多くのジャズの選手から勧誘を受けていたことを明かしました。
「みんなが手を差し伸べてきたことに驚いたよ。彼らの団結力はハイレベルだね」
コンリーもまた、グリズリーズで12年間着用してきた背番号の『11』を、ジャズのダンテ・エクサムのために『10』へと変更し、チームに早く馴染もうとしています。
コンリーは団結力の重要性を、今年優勝したトロント・ラプターズを挙げて語りました。
「トロントが今季に達成したことは、良いロスター、選手層の厚み、そして一つになって改善し続けられれば、優勝に手が届くところに居られるという証拠だ」
1997-98シーズンにジョン・ストックトンやカール・マローンがチームを率い、マイケル・ジョーダン擁するシカゴ・ブルズに敗れて以来、ジャズはNBAファイナルに進出できていません。
それから最も近づけたのは、2006-07シーズンにデロン・ウィリアムスやカルロス・ブーザーを中心にカンファレンス決勝へ進んだ時でした。
しかし、今こそ変化をもたらす時でしょう。
ジャズのゼネラルマネージャーであるジャスティン・ザネック氏は、次のように語ります。
「優勝を望める競争力のあるチームを作ろうとしているから、私たちはその期待を受け入れるよ。やるべきことはたくさんある。チームを固め、一緒に時間を過ごし、それをする時間はある。だがやはり、私たちは競争するためにここに居るんだから、全てを受け入れるつもりだ」
ジャズは優勝経験を持たないチームです。
しかし、今年のトロント・ラプターズ、3年前のクリーブランド・キャバリアーズのように、何人かのスター選手、層の厚いリザーブ、そしてシーズンを通して団結して改善することができれば、初優勝が可能であることは証明されています。
今のジャズには、それが十分に可能だと言えるでしょう。