『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー氏によれば、ドワイト・ハワードはメンフィス・グリズリーズとのバイアウトに合意することで、ロサンゼルス・レイカーズとの新たな契約を手に入れるようです。
ウォジナロウスキー氏は、ハワードが560万ドルの保証された契約を失う代わりに、260万ドルの保証されていないベテランミニマム契約を結ぶと伝えました。
これは、明らかにレイカーズにとって都合の良い契約でしょう。
ウォジナロウスキー氏は、次のように付け加えました。
「ハワードは25ポンド(約11kg)を減量した後にレイカーズと会い、背中が健康であることを示した。レイカーズは、限られた役割の中でリムを守ったり、リバウンドを取ってくれることを望んでいる。ハワードが”どん底”に落ちたと気付き、謙虚になったという感覚があった(から契約した)のだ。それでも彼らは、言葉ではなく行動で彼を評価するだろう。彼は警鐘を鳴らされている」
デマーカス・カズンズが左ひざ前十字靭帯断裂の悲劇に見舞われた後、ロサンゼルス・レイカーズは彼の穴を埋めるために、再びフリーエージェントの市場に出向きました。
そこにはハワードの可能性もあったといえ、必ずしも彼との契約が正しかったというわけでも無かったでしょう。
なぜなら、レイカーズはハワードと共に失敗した記憶があったからです。
そうでなくとも、ハワードを加えることには懸念があったかもしれません。
ハワードは2000年代から2010年代初頭までリーグを代表するセンターでしたが、レイカーズ、ヒューストン・ロケッツ、アトランタ・ホークス、シャーロット・ホーネッツ、ワシントン・ウィザーズとチームを転々とするにつれ、彼の評価はどんどん落ちていきました。
元NBA選手で、現在はNBAのアナリストを務めているブレンダン・ヘイウッド氏によれば、ハワードはホーネッツのチームメイトに好かれていなかったと伝えられています。
昨季を過ごしたウィザーズでは、背中やハムストリングの怪我により、わずか9試合の出場に留まりました。
グリズリーズがトレードでハワードを獲得したことさえも、CJ・マイルズをウィザーズへトレードし、後にハワードを放出することで、贅沢税の支払いを避けることが目的でした。
ケミストリーにおいても、怪我においても、ハワードに懸念があったのは仕方の無いことでしょう。
事実、ウォジナロウスキー氏によれば、レイカーズは当初、ジョアキム・ノアやマリース・スペイツ、マーチン・ゴータットとのワークアウトを計画していたようです。
しかし、彼らにもまた懸念はあります。
ノアは、過去にレブロンを批判してきたことで知られているため、こちらもケミストリーに影響を与えかねません。
ゴータットは強靭で、スクリーンのセットも巧みですが、ディフェンスでガード選手にスイッチされると、弱点となる機敏性を突かれてしまいます。
スペイツは、スペースを広げられるシューターですが、ディフェンス面ではレイカーズが検討している選手の中でも最悪でしょう。
そのため、レイカーズはハワードとの契約に賭けました。
なにより2017-18シーズンのハワードは、1試合あたり平均16.6得点、12.5リバウンド、1.6ブロックと申し分ない成績を残しており、センターでアンソニー・デイビスを起用したくないレイカーズにとっては、非常に魅力的な数字です。
その能力が全て発揮できなくとも、ジャベール・マギーのバックアップや、必要に応じて先発起用することが出来るかもしれません。
もちろん、昨季73試合を欠場し、チームのケミストリーに悪影響を与えてしまう可能性がある以上、ハワードの起用には慎重になる必要があるでしょう。
しかし、これは冒頭でも話したように、レイカーズにとって都合の良い契約です。
260万ドルの安価な契約であるだけでなく、ハワードが期待に応えられないと感じれば、レイカーズはいつでも彼との契約を切ることができます。
ハワードとの契約は賭けですが、これはレイカーズが喜んで260万ドルを差し出す賭けだと言えるでしょう。