FIBAワールドカップ2019でアメリカ代表が優勝候補であることは間違いありませんが、その確実性には綻びが生じることになったでしょう。
メルボルンのマーベル・スタジアムで行われた、アメリカ代表とオーストラリア代表の2度目の強化試合は、オーストラリア代表がアメリカ代表を98-94で下す劇的な結末で幕を閉じました。
これは2006年以来、国際試合で負け無しの78連勝を誇ってきたアメリカ代表の連勝が途切れることを意味し、同時にオーストラリア代表がアメリカ代表に対し、31試合目で掴んだ初勝利でもあります。
オーストラリア代表は、NBA選手としてサンアントニオ・スパーズでプレイするパティ・ミルズが両軍最多の30得点と牽引し、後半最大10点のビハインドを追いつく原動力となりました。
同様にオーストラリア代表で、15得点を記録したNBA選手のジョー・イングルズ(ユタ・ジャズ)は、試合後にこうコメントしています。
「明らかに、僕たちにとって大きな一歩だね」
オーストラリア代表はその他にも、アンドリュー・ボガットが16得点、アーロン・ベインズが13得点と、NBA選手が揃って大活躍し、歴史的な勝利に貢献しています。
87-85とアメリカ代表のリードで迎えた第4クォーター残り3分35秒から、オーストラリア代表の快進撃が始まりました。
イングルズがステップバックのスリーポイントシュートで逆転に成功すると、残り2分58秒にはミルズが少し遠い位置からスリーポイントシュートを決め、オーストラリア代表がリードを4点に広げます。
堪らずタイムアウトを要求し、レイアップで2点を返したアメリカ代表でしたが、オーストラリア代表の勢いは止まらず、ミルズがミドルジャンパー、レイアップと立て続けに得点を重ねm試合を決定付けました。
アメリカ代表のグレッグ・ポポヴィッチHCは試合後、ミルズの活躍を称賛しています。
「前の試合でも言ったように、パティは厄介な選手だ」
歴代最長の78連勝で終わったアメリカ代表は、ケンバ・ウォーカーが22得点、ハリソン・バーンズが20得点を記録しました。
ポポヴィッチHCは、この日の敗戦について、次のように語っています。
「互いについてや、システムについて学ぼうとしている新たなチームは期待されている。だから(敗戦は)驚くことではない。だがオーストラリア代表は、我々がこういった競争で、どのようプレイしなければならないのかという点で、素晴らしい教訓を与えてくれたよ」
バーンズはオーストラリア代表について、こう語りました。
「素晴らしいチームで、彼らは長い間一緒に居た。素晴らしいスタイルのバスケットボールをしているよ」
当然、オーストラリア代表がアメリカ代表よりも完全に優れているとは言えません。
しかしエキシビションゲームと言えども、アメリカ代表が敗れたという事実、オーストラリア代表が自信を付けたということは、ワールドカップを迎えるにあたって非常に大きな意味を持つでしょう。