9月11日に行われた、アメリカ代表対フランス代表の2019 FIBAワールドカップ準々決勝は、国際大会58連勝中のアメリカ代表をフランス代表が89-79で下し、歴史的勝利を挙げました。
アメリカ代表はメダルを獲得することもできず、目指せる最高の成績は5位で、NBAに帰ることとなります。
彼らの史上初となるワールドカップ3連覇の夢は、夢のまま潰えることとなりました。
試合後、アメリカ代表のグレッグ・ポポヴィッチHCは、敗戦についてこう語っています。
「敗北は何だって痛い。まして、こういった状況だから、もっと痛い。だが落ち込んではいられない。重要な試合で、我々は勝ちたいと思っていただろうけど、我々は成長し、家族や生活もあり、くよくよしていられないんだ」
アメリカ代表のドノバン・ミッチェルは、両軍最多の29得点を挙げたものの、それらは全て第3クォーターまでに記録したものでした。
彼が最後に6本連続でショットを落としてしまったのは、アメリカ代表にとっても一つの誤算だったかもしれません。
昨季唯一のオールNBA選出者としてチームを引っ張ったケンバ・ウォーカーは、試合後に次のように語っています。
「僕たちは負けたんだ。やれることは何もない。競い合ったよ。トレーニングキャンプに加わった初日から、僕たちは競争していたんだ。僕たちはチームUSAであり、長年に渡って勝ち続けていることは分かっているけど、それを実現させることは出来なかった」
フランス代表は、オーランド・マジックのエバン・フォーニエがチーム最多の22得点、ユタ・ジャズのルディ・ゴベアが21得点、16リバウンドと牽引し、アメリカ代表との国際試合での連敗を9で止め、初勝利を記録しました。
しかし、歴史的勝利があってもなお、彼らは目標を見失ってはいません。
ゴベアは、目標がアメリカ代表を倒すことではなく、金メダルを獲得することだと語りました。
「僕たちは金メダルを獲得するために、ここに来たんだ。簡単ではないことは分かっていたよ。多くの人々は、僕たちが負けると考えていたけど、勝てたね。でも、最終的に勝てなければ何の意味もないんだ」
フランス代表で、シャーロット・ホーネッツでもプレイするニコラス・バトゥームも、同様にこう言います。
「僕たちは、強大なアメリカ代表を倒した。でも、まだ何にも勝っていないよ」
フランス代表は後半に最大10点のリードから、アメリカ代表の追い上げにより最大7点ビハインドの状況となりました。
しかし、彼らはそこから15-2のランで再び逆転すると、第4クォーター残り2分5秒にはニューヨーク・ニックスでプレイするフランク・ニリキナのジャンパーで82-76とし、残り53秒にはゴベアが、ジャズでチームメイトのミッチェルのレイアップをブロックするなど、攻守でアメリカ代表を上回りました。
アメリカ代表は大きな重圧と、歴史上最も苦戦を強いられるであろうロスターで戦いましたが、最後はフランス代表に及びませんでした。
アメリカ代表のジョー・ハリスは、こう語ります。
「彼らに脱帽しなければならない。彼らは僕たちに勝ったんだ。彼らは勝利に値することをした。僕たちは明らかに、勝利に値することをしなかったんだ」