考察

八村塁がプレイするウィザーズ、来季の”強み”と”弱み”

ワールドカップで日本代表のエースとして躍動したフォワードの八村塁は、来季からワシントン・ウィザーズでプレイすることになります。

しかしこの夏、ウィザーズは大規模な変更を加えたために、ロスターのおよそ3分の2の選手が新しくなりました。

私たちは、何に期待すれば良いのでしょうか?

ここでは、『NBC Sports Washington』のチェイス・ヒューズ氏が推測する、来季のウィザーズの”強み”と”弱み”を見ていくことにしましょう。

強み

1. スリーポイントシュート

昨季のウィザーズは、1試合あたりの平均スリーポイントシュート試投数と成功数でリーグ平均の数字に落ち着いたものの、成功率に関しては34.1%でリーグ26位でした。

その理由は、ブラッドリー・ビールの他に、ボビー・ポーティスやオットー・ポーターJr.くらいしか十分なシューターが居なかったためです。

しかし、来季はその問題を改善できるかもしれません。

なぜなら、トーマス・ブライアント、モリッツ・ワグナー、ダービス・ベルターンスといった、スリーポイントシュートを打てるビッグマンが増えたからです。

特にベルターンスは、昨季1試合あたり平均4.4本のスリーポイントシュートを打ちながら、42.9%という高い成功率を記録しているだけなく、コーナーからはキャリア平均53.4%の成功率をしているため、ウィザーズのフロアを広げるには十分な役割を果たしてくれるでしょう。

他に加わった選手に目を向けても、CJ・マイルズは過去7シーズンのスリーポイントシュート成功率は37.1%、アイザイア・トーマスもキャリア平均で36.0%を記録しています。

ビールは既にリーグで優れたシューターの一人であるため、ウィザーズはこの夏の補強によって、ラインナップ全体で外から打てる選手を揃えました。

リーグ屈指のシューティングチームにはならないかもしれませんが、少なからず昨季よりはスリーポイントシュートの改善を見込めるでしょう。

2. スピード

ウィザーズの指揮官であるスコット・ブルックスHCは、速いペースでプレイすることを好みます。

その要はスタープレイヤーのジョン・ウォールだと考えられていましたが、彼が負傷した後も、チームにはそれほど大きな影響が出ていません。

実際、ウォールは昨季32試合に出場しましたが、彼が負傷する前のペース(48分換算のポゼッション数)はリーグ9位だったのに対し、彼の負傷後はリーグ11位となっています。

そしてウィザーズはこの夏、リーグで最も有名なスピードスターであるイシュ・スミスを加えました。

スミスは昨季、オフェンスの平均スピードでリーグ8位を記録しているため、その他の素早くアクティブなブライアントや、ベルターンスともうまくマッチし、強みを生かせるかもしれません。

3. 若さ

ウィザーズは経験豊富なベテランよりも、経済的にも柔軟性が生まれる若い選手を多く獲得したことで、ロスターが大幅に変化しました。

短期的に見ればチームの実力は不十分かもしれませんが、長期的に見れば、ウィザーズは将来の1巡目指名権も保持しているため、どこかで急成長を遂げる可能性もあります。

なにより八村も含め、若い選手で構成した方が、より競争力が芽生え、ケミストリーを深められるでしょう。



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弱み

1. リムプロテクト

これはお馴染みのものです。

ウィザーズは何年もの間、リムを守る選手が枯渇しており、それを修正しようとする試みの多くは失敗に終わってきました。

そしてこの夏、ウィザーズはリム周辺のディフェンスよりも、攻撃的な選手を主に加えています。

彼らが頼れる最高のショットブロッカーはブライアントですが、それでも昨季のブロック数はわずか0.9本であるため、期待できるほど大きなものではないでしょう。

昨季同様に、ウィザーズはディフェンス面で頭を抱えることになる可能性があります。

昨季は、1試合あたりの失点数でリーグ29位(116.9点)、ディフェンシブ・レーティングでリーグ27位(112.9ポイント)を記録しました。

来季は小柄なスミスや、トーマスも前線に立つことで、よりディフェンスが悪化するかもしれません。

2. ショットクリエイト

ビールは最高の選手です。

彼はダブルチームをかけられても、強力なディフェンダーに付かれても、得点を挙げることができました。

問題は2番目の選手であり、誰がショットを生み出すのでしょうか?

現状で最も近いのはブライアントですが、それでも昨季は1試合あたり平均10.5得点です。

最も期待するのは八村で、そうなれば私たちにとっても最高のことですが、彼はまだルーキーで、NBAに順応できるまでどれだけかかるか分かりません。

トーマスが健康で、ボストン・セルティックス時代に少しでも近づけるプレイができれば、ウィザーズにとっては大きな助けになるでしょう。

何にせよ、ショットを生み出せる2番目の男が居ない限り、ウィザーズが十分に勝てないことは、昨季に証明されています。

3. ガードの選手層

来季はウォールが出場できる可能性が非常に低いため、ウィザーズが先発級の選手と契約を結ぶのは論理的に思えました。

しかし、彼らはそういった選手と契約することもなければ、トーマス・サトランスキーと再契約することもなく、代わりにトーマスとスミスにそのお金を使ったのです。

スミスはまだしも、トーマスは深刻な腰の怪我からどれだけ回復したかも分からず、昨季はわずか12試合にしか出場していません。

うまくいかなかった場合、どうなるのでしょうか?

バージニア工科大学のジャスティン・ロビンソンをドラフトし、トロイ・ブラウンJr.や、ジョーダン・マクレーもガードを務めることができますが、結局のところ、ウォールが居なければウィザーズのガード選手は層が薄すぎます。

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