NBAは、ルール変更を全く恐れてはいません。
今のNBAで大きな役割を担っているルール挙げるとすれば、1950年代に追加されたショットクロックや、ゴールテンディング、1979年の3ポイントシュートラインの誕生があります。
そしてつい最近、NBAの下部組織にあたるGリーグでは、新たなルールの試みが開始されることが決まりました。
Gリーグでは2019-20シーズンから、原則的に全てのフリースローが1本となります。
2ポイントショットの際にファウルがあった場合は、2点が与えられるフリースローを得られ、3ポイントシュートの際にファウルがあった場合は、3点が与えられるフリースローを得ることができるのです。
例外として、第4クォーターの残り2分以内とオーバータイム、ファウルをもらいながらショットを決めた場合に関しては、従来通り1本につき1点のフリースローが得られます。
このルールは、試合時間の短縮を目的として策定されました。
しかし、なぜフリースローのルール変更だけなのでしょうか?
最終的にNBAのルールを変更するために、実験的な導入をするにはGリーグが最適な場所です。
ここでは、Gリーグで試す価値のあるルール変更を、もう少し見てみることにしましょう。
4ポイントライン
過去にメディアは、ボストン・セルティックスのアントワン・ウォーカーに対し、なぜそんなに3ポイントシュートを打つのかと尋ねたことがあります。
彼の返答はこうでした:「4(ポイント)が無いからだ」
少なくとも、NBAは2014年から4ポイントラインの導入について検討しています。
また、フィラデルフィア・76ersとアトランタ・ホークスは、既に練習場に4ポイントラインが引かれており、これは3ポイントラインよりも5フィート(約1.52m)後ろにあります。
4ポイントラインの導入は、選手個々により残酷なミスを引き起こす可能性を与えますが、全体的に見ればオフェンスをより活性化させられるでしょう。
4ポイントショットを警戒する必要がある場合、ディフェンスはそれだけ前に出なければならず、その分のスペースが空くからです。
そして現代のNBAでも分かるように、スペースがあれば、リーグ最高の選手を止めることはできません。
コートの拡張
もし、NBAがオフェンスにもっとスペースを与えたいと考えているならば、もう一つの手段としてコートの拡張が挙げられます。
広くなったコートでは、世界最高のアスリートが、よりスピード、運動能力、爆発力を発揮できるようになるでしょう。
より広いコートで、ヤニス・アデトクンボは自身の身体能力をさらに見せ付け、ステフィン・カリーは相手を引きつけることで、チームメイトがさらにフリーになります。
FIBAのゴールテンディングを採用
NBAでは、リムの円の上にボールがある場合に、ボールに触れることでゴールテンディングと判定されます。
FIBAでは、ボールがリムに当たった瞬間に、ボールに触れることが可能になります。
より分かりやすい例として、今年開催されたワールドカップでの、ブラジル対ギリシャ戦のフリースローを見てみましょう。
BRUNO CABOCLO WINS THE GAME BY SWATTING AWAY THE FREE THROW #brazil #greece #FIBAWC2019 pic.twitter.com/yuj9G7aCDd
— Fastbreak Breakfast (@fastbreakbreak) September 3, 2019
現代のNBAは、3ポイントシュートが脅威となったことで、センターの選手に注目されることが減ってきています。
リムの上は、もっとエキサイティングであるべきなのかもしれません。
FIBAのゴールテンディングを採用することで、ルディ・ゴベアのようなリムプロテクターはより重宝されるようになるでしょう。
これは最も現実的なルール変更のようにも思えます。
コーナーに3秒ルール
これは、『ESPN』のカーク・ゴールズベリー氏は数ヶ月前に紹介したものでもあります。
2人の選手をコーナーに立たせるのは、戦術的には非常に賢く、合理的ですが、決してエキサイティングなものではありません。
もしコーナーに3秒ルールを導入した場合、選手はよりボールを動かす必要があり、より考えてスペースを生み出す必要があるため、バスケットボールのオフェンスはより流動的なものになるでしょう。
試合時間を40分に短縮
各クォーター12分、計48分間の試合を、各クォーター10分、計40分の試合にするのはどうでしょうか?
選手の消耗を減らし、ギリギリの放送時間にも余裕を生み出すことができます。
ただし、試合時間の短縮によってスタッツ面に大きな影響が出るかもしれません。
例えば、1試合で50得点を記録することはより困難になり、キャリア通算得点は歴代2位のカール・マローンさえ手の届かない記録となる可能性があります。
オンボール中のタイムアウトの禁止
なぜNBAの試合は時間がかかるのか――その答えの一つは、第4クォーターの最後の1分が、実際には15分もかかってしまうことがあるからではないでしょうか?
コーチはタイムアウトを取ることで、判断を選手に委ねるのではなく、プレイをセットアップすることで成功させようとしています。
もし、オンボール中だけでもタイムアウトを禁止したらどうなるでしょうか?
特にクラッチタイムでは、コーチはより選手を信頼する必要があり、試合は止まることもなく、さらなる緊張感も生み出せます。
ブザービーターの価値は、いっそう高まるかもしれません。