トロント・ラプターズのテレンス・デイビスは、ドラフト指名されずにNBA入りを果たした今シーズンのルーキーです。
2019年7月に行われたサマーリーグの最初の試合で、チームが決まっていなかったデイビスの代理人はメールを受け取りました。
『ESPN』のブライアン・ウィンドホースト氏によれば、代理人のアダム・ペンサック氏は当時の状況をこう振り返ります。
「誰も肩越しにメールを読もうとしていないか、確認する必要があったんだ。私からメールを送ったチームの数人が、私の近くに座っていたからね。TD(テレンス・デイビス)について話していたことを、彼らに見られたくなかったんだ。かなり異様な状況だったよ」
その試合のハーフタイム中にデイビスへのオファーがあり、デイビスはその試合で5本の3ポイントシュート成功を含む22得点を記録しました。
NBAデビューを果たし、これまで全試合に出場を果たしているデイビスは、怪我で苦しんでいるラプターズにとって貴重な3&Dプレイヤーとして貢献しています。
3ポイントシュート成功率は39.3%と高水準で、ディフェンス面でもシューティングガードの中では非常に高い評価を得ています。
今シーズン、ドラフト外入団を果たしたルーキーといえば、マイアミ・ヒートのケンドリック・ナンがしばしば注目され、チームの手腕も称えられますが、ラプターズも見過ごされた選手を見抜く力を持ったチームであることは間違いないでしょう。
フレッド・ヴァンブリートの物語はよく知られています。
彼はウィチタ州立大で4年間を過ごした後にドラフト指名されなかったものの、2016年7月にラプターズと複数年契約を結び、2019年には球団史上初のNBAチャンピオンの中核の一人として貢献しました。
クリス・ブーシェもドラフト外でラプターズに加入した選手で、彼は負傷したサージ・イバカやマーク・ガソル、パスカル・シアカムの代わりを務めるという大役を果たしています。
ラプターズのニック・ナース・ヘッドコーチは他にも、マット・トーマスやオシェー・ブリセットといったドラフト外選手もたまに起用しており、彼らもまたラプターズの23勝12敗、ディフェンシブ・レーティング2位といった好成績に貢献しています。
ナースHCは次のように語りました。
「ドラフトされていない選手が貢献しているのを見てきた。ドラフトで25番目と95番目の選手の差が小さくなっていると思うよ。だから、選手の育成とGリーグチームの活用が(成功の)重要な要素になるんだ」
ナースHCはGリーグで指揮官として優勝に導いた実績を持っており、誰よりもリーグでドラフトされていない選手の可能性を信じている指揮官と言っても、おそらく過言では無いでしょう。
2017年のラプターズ905のGリーグ制覇も、2019年のトロント・ラプターズのNBA制覇も、ドラフト外選手の貢献無しには果たせないものでした。
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