考察

ウェストの第8シード争いをするチームの注目ポイント

今シーズンのウェスタン・カンファレンスは、首位のロサンゼルス・レイカーズを筆頭に、デンバー・ナゲッツ、ロサンゼルス・クリッパーズ、ユタ・ジャズ、ヒューストン・ロケッツ、オクラホマシティ・サンダー、ダラス・マーベリックスの計7チームが、プレイオフ進出を確実なものにしようとしています。

残り30試合も無い中で、8位のメンフィス・グリズリーズと7位のマーベリックスが6.0ゲーム差も離れていることを考えると、残されたウェストのプレイオフのシード枠は、第8シードの一つのみと考えるのが妥当かもしれません。

というわけで、ここでは第8シードを争う可能性が高いグリズリーズ、ポートランド・トレイルブレイザーズ、サンアントニオ・スパーズ、ニューオーリンズ・ペリカンズの4チームの注目ポイントを見ていくことにしましょう。

メンフィス・グリズリーズ(8位)

グリズリーズの強みの一つはバランスの取れたオフェンスで、ジャ・モラント(平均17.7得点)、ジャレン・ジャクソンJr.(平均17.1得点)、ディロン・ブルックス(平均15.6得点)、ヨナス・バランチュナス(平均14.7得点)、ブランドン・クラーク(平均12.3得点)らが平均二桁得点を記録しています。

さらに、どの選手でもインサイド、アウトサイド問わず得点できるオフェンス面だけでなく、若い選手が多い中でもディフェンス面に致命的な弱点はありません(ディフェンシブ・レーティングはリーグ16位)。

グリズリーズがプレイオフに進出した場合、最も対戦する可能性が高いのは現在首位のレイカーズですが、グリズリーズの侮れない攻守を考えれば、決してレイカーズに「楽勝」という言葉は当てはまらなくなるでしょう。

一方で、グリズリーズにとって最も厄介なのは”スケジュール”となります。

彼らの今後の対戦相手の平均勝率は55.4%で、これは他のどのNBAチームよりも高い勝率となっています。

また、最後の11試合のうち8試合は勝率5割以上のチームの対戦であり、残りの3試合はブレイザーズ(現在ウェスト9位)の1試合と、ペリカンズの2試合(現在ウェスト11位)との対戦となるため、苦しい終盤戦を強いられることになるでしょう。

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ポートランド・トレイルブレイザーズ(現在9位:8位と3.5ゲーム差)

今シーズンのデイミアン・リラードはキャリア最高のパフォーマンスを続けながら、成績の振るわないチームをプレイオフへ導こうと健闘しています。

残念なことに、最近リラードは多くのチームメイトと同じように負傷(鼠径部)で一時的な離脱を余儀なくされたため、ブレイザーズは彼が不在の中でも敗戦を重ねないことが重要になるでしょう。

ブレイザーズの最大の問題は、リーグ27位のディフェンスにあります。

これは昨シーズンから足の怪我で離脱しているユスフ・ヌルキッチの影響もあり、今シーズン中に彼が復帰できるという期待もありますが、具体的な時期は決まっていません。

ヌルキッチの代わりに先発センターを務めているハッサン・ホワイトサイドは、平均15.7得点、14.1リバウンド、3.0ブロックと、スタッツ上では素晴らしい成績を残していますが、勝利へ繋がっていないことを考えると、ヌルキッチや、3月に復帰予定のザック・コリンズの働きも重要になるでしょう。

スケジュールの観点では、グリズリーズほど厳しくはありませんが、ペリカンズほど簡単でもありません。

78試合目でグリズリーズと直接対決をした後、ブレイザーズはクリーブランド・キャバリアーズ、デンバー・ナゲッツ、ゴールデンステイト・ウォリアーズ、ロサンゼルス・クリッパーズとの対戦を控えています。

運が良ければ、ナゲッツやクリッパーズは、プレイオフに備えてロードマネジメントをしている可能性があります。

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サンアントニオ・スパーズ(現在10位:8位と3.5ゲーム差)

1996-97シーズン以来、初めてスパーズはプレイオフ進出を逃すのでしょうか?

3ポイントシュートに消極的な姿勢である(1試合あたりの平均試投数は、昨シーズンがリーグ最下位、今シーズンがリーグ29位)のは相変わらずですが、チームの旧態依然の戦い方はそれほど問題ではありません。

スパーズにとって本当の問題は、リーグ25位のディフェンス面にあります。

デジャンテ・マレーとデリック・ホワイトといった2人のディフェンスに長けた選手が居ることを考えると、その成績の悪さは驚くべきことでしょう。

スパーズのグレッグ・ポポビッチ・ヘッドコーチは間違いなくNBA史上最高のコーチの一人ですが、彼が新しいことに適応したり、挑戦しようとしたりしないことは、憂慮した方がいいかもしれません。

スパーズは残された30試合未満の中で、自分たちのアイデンティティを見つけ出す必要があります。

ベテランのラマーカス・オルドリッジ、デマー・デローザン、ルディ・ゲイだけに頼って第8シードを狙うのか、あるいはマレー、ホワイト、ロニー・ウォーカー四世の育成にも力を注ぐのか――。

いずれにしても、第8シードを自らの手で掴み取るのであれば、何かしらの変化は必要なのかもしれません。

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ニューオーリンズ・ペリカンズ(現在11位:8位と4.0ゲーム差)

グリズリーズと同様に、ペリカンズのロスターにも若い才能は溢れています。

グリズリーズと異なるのは、彼らほど険しいスケジュールではないということです(ペリカンズの対戦相手の平均勝率は44.9%)。

さらにペリカンズには、若きオールスターのブランドン・イングラムや、期待の新人であるザイオン・ウィリアムソンを、ドリュー・ホリデー、JJ・レディック、デリック・フェイバーズといったベテランの選手が支えています。

8位のグリズリーズとの4.0ゲーム差は少し大きいですが、3月下旬に彼らとの直接対決が2度もあることを考えると、逆転の可能性は大いに残っていると言えるでしょう。

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