ヒューストン・ロケッツはトレード期限直前、先発センターのクリント・カペラをアトランタ・ホークスへトレードすることによって、完全に”スモールラインナップ”を受け入れる体制を整えました。
2月20日(日本時間21日)のゴールデンステイト・ウォリアーズ戦の先発は、ジェームズ・ハーデン、ラッセル・ウェストブルック、ダヌエル・ハウス、PJ・タッカー、そして彼らの中で最も身長の高いロバート・コビントンでした。
そのコビントンでさえも、一般的なセンターよりも遥かに低い6フィート7インチ(約200cm)しかありません。
ロケッツのユニークなスタイルがどのように機能するかは疑問がありますが、少なくとも選手やコーチは、スモールラインナップに自信を持っているようです。
12月にユタ・ジャズに解雇されて以来初の試合となったジェフ・グリーンは、ウォリアーズ戦で24分間に出場し、3ポイントシュート5本中4本成功を含む17得点を記録した後、ロケッツでプレイすることについて次のように語りました。
「楽しいよ。複数のポジションを守ることができ、利他的な選手と一緒にプレイできれば、それが正しいプレイ方法だからね」
ロケッツのマイク・ダントーニ・ヘッドコーチは、懸念されたチームのディフェンスについて次のように指摘しています。
「ジェームスはポストを守るのが本当に上手い。エリック・ゴードンも同様だ。我々はみんながポストを守ることができる。」
ダントーニHCが選手を過大評価しているように見えたとしても、数字の観点からすればそれは間違いです。
『Sports Technology』によれば、ハーデンのポストディフェンスは1ポゼッションあたりわずか0.554ポイントで、これはリーグの96パーセンタイルに位置するほど優れています。
また、コビントンはロケッツ移籍以降のディフェンスリバウンド率で76.9%を記録しており、これはリーグ10位以内に入る好成績です。
サンプルが少ないことは明らかですが、スモールラインナップだからといってディフェンスが崩壊しているわけではないというのも事実でしょう。
カペラが、ロケッツの中で機能していなかったわけではありませんでした。
彼のリムプロテクト能力、ハーデンからロブパスを受ける垂直方向の脅威は、間違いなく存在していたでしょう。
しかし、今シーズンのロケッツにラッセル・ウェストブルックが加わったことによって、5人全員が3ポイントラインの周囲に立ち、スピードやリムに到達する能力を生かして相手ディフェンスを崩すのは、さらに理にかなっています。
結局、ロケッツはオフェンス面でハーデンやウェストブルックの強みをより引き出すため、カペラを放出することに決めました。
ダントーニHCは、サイズの大きいチームと対戦する時に一筋縄ではいかないことを認めましたが、ロケッツにとってはそれが最善の戦い方であると理解しています。
「我々はスモールラインナップでプレイするつもりだ。大きくする必要は無い。我々のチームは、その方法でより良くなれる。」
カペラを放出したことに対する懸念の一つは、センターでの起用機会が増加するタッカーの負担ですが、ダントーニHCは特に心配をしていません。
ダントーニHCいわく、タッカーは基本的に相手チームの最も優れたウィングの選手を守り、センターの選手はハーデンが守っていると指摘しました。
近年、他のチームはスモールラインナップを試合終盤に起用することはあったものの、負傷者が続出しない限り、長時間起用されることはありませんでした。
常にリーグ最高のプラスマイナスを記録してきた”デスラインナップ”、”ハンプトンズファイブ”を擁していたウォリアーズでさえも、それを頻繁に使うことはありませんでした。
そのため、ロケッツが常時スモールラインナップを起用することが、いかに未知なことであるか想像に難くないでしょう。
ロサンゼルス・レイカーズや、デンバー・ナゲッツといったチームと対戦する時、ロケッツは苦戦を強いられるかもしれない…という見方は多いですが、もしかすれば、逆に相手が適応せざるを得ない状況に置かれる可能性も、ゼロではありません。
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