NBAで成功を収めてきた選手たちのほとんどは、ドラフトでチームから指名を受けた選手たちです。
どのチームも一流のスカウティングを駆使し、綿密な計画を練っているため、それは当然と言えば当然のことでしょう。
しかし、全てのチームは同時に、他のチームが見逃した才能のある選手を発掘することも望んでいます。
それは極めて困難なことではありますが、一部の選手は、本当に見逃された選手として大きな活躍を残してきました。
ここでは、そんなドラフト指名で見逃された史上最高の10人の選手について見ていくことにしましょう。
目次
ジョン・スタークス(1988年)
試合 | 得点 | リバウンド | アシスト |
---|---|---|---|
866 | 12.5 | 2.5 | 3.6 |
ジョン・スタークスは、1990年代のタフで気骨があるニューヨーク・ニックスの一員として記憶されています。
全盛期には非常に優秀なスコアラーかつタフなガードであったスタークスを、ニックスのファンは絶賛していました。
キャリア平均でも二桁得点を記録したスタークスは、1994年にオールスターに選出されただけでなく、1997年にはフランチャイズ史上6人目となるシックスマン賞も受賞しました。
ショットクリエイト、スコアリング、そして勝負強さといったスタークスの能力は数字以上の影響力があり、ここで紹介する10人の中でも本当に最高の選手の一人と言っても過言ではないでしょう。
エイブリー・ジョンソン(1988年)
試合 | 得点 | リバウンド | アシスト |
---|---|---|---|
1,054 | 8.4 | 1.7 | 5.5 |
エイブリー・ジョンソンで最も印象的な出来事と言えば、ダラス・マーベリックスのヘッドコーチとして2006年に最優秀ヘッドコーチ賞を受賞したことかもしれませんが、彼は選手としても優れた才能を持っていました。
ジョンソンはキャリア通算で8,800得点、5,800アシスト以上を記録しており、ドラフト指名を受けなかった歴代選手の中では最多の通算アシスト数を記録しているのです。
サンアントニオ・スパーズに所属していた1999年には、NBAファイナル第5戦で試合を左右する重要なショットを決めるなど、チームの優勝にも大きな貢献をしました。
そして素晴らしいことに、彼の引退試合での対戦相手もスパーズでした。
ダレル・アームストロング(1991年)
試合 | 得点 | リバウンド | アシスト |
---|---|---|---|
840 | 9.2 | 2.7 | 4.0 |
ダレル・アームストロングが一気に注目を浴びたのは、1998-99シーズンのことでした。
彼はこのシーズンに平均16.5得点、8.0アシストを記録し、スコアリングの面でも、パスの面でも優れた選手であることを証明し、NBA史上初となるシックスマン賞と最優秀躍進選手賞(MIP)の同時受賞を果たしました。
オールスターに選出されることはなかったものの、ベンチから生産的になれる選手として充実した時間を過ごしました。
デイビッド・ウェズリー(1992年)
試合 | 得点 | リバウンド | アシスト |
---|---|---|---|
949 | 12.5 | 2.5 | 4.4 |
デイビッド・ウェズリーはしばしば見逃されがちな選手ですが、全盛期はとても優秀なスコアラーでした。
ボストン・セルティックスに所属していた1996-97シーズンには平均16.8得点、7.3アシスト、さらにシャーロット・ホーネッツに所属していた1999-00シーズンにも平均17.2得点、4.4アシストを記録しています。
また3ポイントシュート成功率もキャリア平均で36.8%と比較的高い数字を残しました。
ウェズリーはアップダウンのあるキャリアを送っていましたが、チームが必要とするときには得点を挙げられる選手であったことを忘れてはなりません。
ブルース・ボウエン(1993年)
試合 | 得点 | リバウンド | アシスト |
---|---|---|---|
873 | 6.1 | 2.8 | 1.2 |
ブルース・ボウエンに関しては、彼の素晴らしさを語るのに上記のスタッツは意味を成さないでしょう。
なぜなら、彼はディフェンス面で極めて優れた選手であったからです。
ボウエンはNBA史上最も象徴的なペリメーターディフェンダーとして、相手チームの選手は彼とマッチアップすることを嫌い、一方でチームメイトはボウエンを信頼していました。
結果として、ボウエンは引退するまでにNBAオールディフェンシブチームに8回(1stが5回、2ndが3回)も選出されました。
ドラフトで指名された優れたディフェンダーでさえ、ボウエンほどの実績を残せる選手はほんの一握りしかいません。
ベン・ウォーレス(1996年)
試合 | 得点 | リバウンド | アシスト |
---|---|---|---|
1,088 | 5.7 | 9.6 | 1.3 |
ドラフトで指名されなかった歴代選手の中に、ベン・ウォーレスの名前は決して外すことはできないでしょう。
ウォーレスは6フィート9インチ(約206cm)とセンターの中では小柄でしたが、誰よりもハードにプレイし、ディフェンスし、ハッスルを見せました。
先述したボウエンとポジションは違えど、ウォーレスもまたNBA史上最も支配的なディフェンダーの一人であったことは明らかです。
ウォーレスは4度の最優秀守備選手賞や、6度のNBAオールディフェンシブチーム選出(1stが5回、2ndが1回)、4度のオールスター出場、そして2004年の優勝と、選手冥利に尽きるキャリアを送りました。
彼がドラフトで指名されなかったと聞いて、一体どれだけの人が信じるでしょうか?
ブラッド・ミラー(1998年)
試合 | 得点 | リバウンド | アシスト |
---|---|---|---|
868 | 11.2 | 7.1 | 2.8 |
当初はほとんどの人が、7フィート(約213cm)のサイズを持つミラーを過小評価していました。
彼が後に2度もオールスターに出場するとは、誰も予想しなかったでしょう。
絶好調の時には連続して得点を量産できるスキルを持っていたミラーは、インディアナ・ペイサーズに所属していた2002-03シーズンに平均13.1得点、8.2リバウンドを記録し、キャリア初のオールスター選出を果たしました。
さらに、トレードでサクラメント・キングスへ移籍した2003-04シーズンにも平均14.1得点、10.3リバウンドを記録し、再びオールスターに選出されました。
また、本数こそ多くないものの、ミラーは3ポイントシュートを打てるビッグマンの一人でした。
オールNBAチームや、優勝経験こそ持たず、殿堂入りも果たしていないミラーですが、候補としては挙げられてもいいほど優れた選手であったことは確かです。
ユドニス・ハスレム(2003年)
試合 | 得点 | リバウンド | アシスト |
---|---|---|---|
858 | 7.6 | 6.7 | 0.8 |
”ミスター・マイアミ・ヒート”と自称するように、ユドニス・ハスレムは2003年から今に至るまでヒートと共に歩んできました。
その長いキャリアと、ロッカールームでのリーダーシップこそ、ハスレムの名前がここで挙げられる理由でもあります。
2006年にフランチャイズ史上初の優勝に貢献して以降、彼はヒートに欠かせないリーダーの一人となりました。
もちろん、数字の面でも通算6,500得点、5,700リバウンド以上を記録しています。
少なくとも過去2年間のハスレムはローテーションプレイヤーではなかったものの、”接着剤”としての役割は、出場時間と同じくらい重要なものであると言えるでしょう。
ホセ・カルデロン(2003年)
試合 | 得点 | リバウンド | アシスト |
---|---|---|---|
895 | 8.9 | 2.4 | 5.8 |
ホセ・カルデロンの最も優れた武器は、やはり精密なシューティング能力でしょう。
彼はキャリア平均で3ポイントシュート成功率40.7%、フリースロー成功率87.3%を記録しました。
さらに、2007-08シーズンにはフリースロー成功率98.1%を記録しており、これは現在でも単一シーズンのフリースロー成功率の歴代1位の記録となっています。
もちろん、彼の武器はシューティングに限らず、キャリア平均5.8アシストという数字から、カルデロンが優秀なプレイメイカーであったことも伺えます。
フレッド・ヴァンブリート(2016年)
試合 | 得点 | リバウンド | アシスト |
---|---|---|---|
231 | 10.5 | 2.6 | 4.1 |
2019年にトロント・ラプターズがフランチャイズ史上初の優勝を飾ると共に、それに貢献したフレッド・ヴァンブリートの知名度は一気に上昇しました。
ヴァンブリートは優れたシューターかつスコアラーであることを証明し、2019-20シーズンは平均17.6得点、6.6アシストを記録しています。
そして、彼はまだ26歳とまだまだ成長の可能性を秘めているため、ドラフトで指名されなかった選手の一人してどのような歴史を作り出していくのか、今後も目を離すことはできません。
多くの人々が既にヴァンブリートを優れた選手として認めているのは、2020年のオフシーズンに彼が最も注目のフリーエージェントの一人として取り上げられていることからも明らかでしょう。