考察

ドック・リバースHCと決別したクリッパーズは何を見据えているのか

ロサンゼルス・クリッパーズは、7年間に渡って共に歩んできたドック・リバースHC(ヘッドコーチ)と別れる決断を下しました。

Los Angeles Times』のダン・ウォーク記者とブロデリック・ターナー記者によれば、リバースHCの退任は双方の合意によって決定されましたが、リバースHCは球団側の”前進したい”という意志に衝撃を受けていたようです。

一方で、クリッパーズとリバースHCの決別に兆候が無かったわけではないと、『The Athletic』のジョナサン・ブハ記者は伝えました。

ブハ記者によれば、球団とリバースHCの間にはここ数年間――特にここ数週間に渡って”哲学的な見解の相違”があったとされ、それがリバースHCの退任に繋がった理由の一つとされています。

それでも、クリッパーズはリバースHCの退任に伴って新たな指揮官を用意していたわけではないと、ブハ記者は付け加えています。

つまり、クリッパーズは将来の見通しが不透明なまま、リバースHCとの決別に至った可能性があるということが考えられるでしょう。

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リバースHCの退任は、将来のクリッパーズを大きく左右しかねない重要な動きです。

言うまでもなく、クリッパーズは次の指揮官を探さなければなりません。

しかし、リバースHCに代わる名将を見つけ出し、2人のスーパースター――カワイ・レナードとポール・ジョージを満足させることはできるのでしょうか?

レナードがクリッパーズに移籍した主な理由の一つは、リバースHCの存在でした。

優勝を期待されていながらカンファレンス決勝に辿り着くことができず、リバースHCも去った今、彼らが自身のキャリアをクリッパーズで終えたいと考えているかどうかは疑問に感じるところです。

そして、レナードとジョージは来季を終えた後にプレイヤーオプションを行使する権利を持っています。

つまり、新たな指揮官がわずか1年間で結果を残し、レナードやジョージを満足させることができなければ、クリッパーズはリバースHCが唯一プレイオフ進出を逃していた2017-18シーズン後半のような、スター選手が不在のチームに戻ってしまう可能性があるのです。

その重責を担うのは誰になるのでしょうか?

New York Times』のマーク・スタイン記者によれば、クリッパーズのタロン・ルーAC(アシスタントコーチ)や、1996年から2007年にかけてニューヨーク・ニックスやヒューストン・ロケッツで指揮を執ったジェフ・ヴァン・ガンディは有力な候補として挙げられています。

どちらも実績のある指揮官であるため、選手からの信頼は得られるかもしれません。

しかし、彼らでもわずか1年間でクリッパーズを成功に導くのは困難な任務でしょう。

その大きな理由の一つが、クリッパーズは今年のオフシーズンに目立った補強をできないということです。

レナード、ジョージ、ルー・ウィリアムズ、パトリック・ベバリー、イビツァ・ズバッツ、ロドニー・マグルーダー、ランドリー・シャメットは来季の契約が保証されていますが、この時点でチームはリーグのサラリーキャップ(1億900万ドル)を超過し、およそ1億1,570万ドルのサラリーを払うことになります。

フリーエージェントを迎える主力のモントレズ・ハレル、シーズン途中に加入したマーカス・モリスやレジー・ジャクソン、ローテーションプレイヤーのパトリック・パターソンらを呼び戻せなかった場合、彼らに代わる戦力を柔軟性の無いサラリーで補うのはほぼ不可能です。

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さらに、クリッパーズは今年のドラフトで全体57位指名権しか保持していないため、1年目から爆発的な活躍ができるルーキーに期待するのも非現実的でしょう。

トレードのような動きが無い限り、来季のクリッパーズは今季と比較してロスターを大きくグレードアップさせることはできず(むしろグレードダウンする可能性も)、1年間で成功を収めなければならないプレッシャーを背負う指揮官によって導かれることになります。

こうして考えると、いかに今季のクリッパーズが優勝に近づくチャンスを持っていたか分かります。

そして結果が出なかったため(それも悪い形でのシリーズ敗退)、リバースHCは退任となった――それは自然な流れのようにも見えます。

しかし、それが正しいどうかは別の問題です。

1年前、クリッパーズは2人のスーパースターを獲得し、独自のアリーナの建設を開始し、ロサンゼルス・レイカーズの影から脱却することを見据えていました。

今のクリッパーズは当時と同じことを見据え続けているのでしょうか?

もしそうであるならば、リバースHCと決別したことはとてつもない大博打です。

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