カワイ・レナードとポール・ジョージの2大スターや、層の厚いロスターを持っていたクリッパーズが、今年のプレイオフのカンファレンス準決勝でデンバー・ナゲッツに敗れたのは一つの衝撃でした。
今季のクリッパーズが優勝候補の一角として期待されていたことを考えると、これは彼らにとって明らかに失敗と呼べるシーズンです。
その原因は様々かもしれませんが、ハッキリしたことは一つあるでしょう。
それはクリッパーズに何らかの改善が必要であるということです。
したがって、ここではクリッパーズが来季の成功を収めるために、試してみたい4つの動きを見ていくことにしましょう。
タロン・ルーのヘッドコーチ昇格
タロン・ルーは現在クリッパーズのアシスタントコーチを務めていますが、2016年にはクリーブランド・キャバリアーズのヘッドコーチとして優勝した経験を持っています。
彼は当時レブロン・ジェームズを指揮していた経験もあるため、レナードやジョージに手を焼くことも無いはずです。
さらに、もしルーがヘッドコーチに昇格した場合、彼はチームに貴重な経験を積ませることができるかもしれません。
というのも、ルーのコーチングスタイルはスター選手を中心としたものであるため、他の選手たちは限られた役割の中でプレイすることになります。
クリッパーズにはマーカス・モリスやルー・ウィリアムズ、モントレズ・ハレルといった優秀なスコアラーが何人も居ますが、カワイ・レナードやポール・ジョージがスーパースターとしての仕事を全うしていた場合、スターではない選手たちが得点面で目立つ機会は少なくなります。
より大きな利益のために自身を犠牲にできる選手というのは重要で、その役割をルーの判断によって分け与えることができれば、クリッパーズのロスターが真のポテンシャルを発揮することにも期待できます。
クリス・ポールとモントレズ・ハレルのサイン&トレード
今年のオフシーズンにフリーエージェントを迎えるモントレズ・ハレルがチームに残留する可能性については、それほど期待されていません。
彼は7月末のシーズン再開後に成績を落として自身の市場価値を下げたことで、安価な契約を望む複数のチームから関心を集めているだけでなく、プレイオフの最中にはポール・ジョージとの亀裂も噂されました。
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ポール・ジョージとチームメイトの間に亀裂か
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しかし、今季のシックスマン賞を受賞した26歳の有望な選手をタダで手放すのも、もったいない話でしょう。
それならば、クリッパーズの弱点を埋めるためにハレルを”サイン&トレード”によって活用してみるのも一考の余地があります。
特に注目したいのが、再建段階に入ると思われていた今季のオクラホマシティ・サンダーを大きく飛躍させたクリス・ポールを、ハレルとのトレードによって獲得するということです。
今季のクリッパーズはオフェンスを円滑に進められる選手――いわゆるプレイメイカーが居なかったことにより、ボールムーブメントというよりもスター選手の個々の技量によるショットメイキングに頼りがちでした。
パトリック・ベバリーはディフェンス面で極めて優れた選手ですが、正統派ポイントガードに求められるようなビジョンやプレイメイキングは欠いています。
これをリーグ最高のプレイメイカーの一人に置き換えることは、クリッパーズにとって試す価値のある動きではないでしょうか?
ハレルが年間1,500万ドルほどの契約にサインすれば、ハレル、ベバリー、イビツァ・ズバッツを含むサンダーとのトレードを成立させられるかもしれません。
また、このトレードを成立させることによって、サンダーはスティーブン・アダムスを必要とするチームから資産を得られるかもしれないというメリットも生まれます。
サージ・イバカとの契約
先述したように、モントレズ・ハレルはクリッパーズを去る可能性が高い選手です。
もし彼に代わる選手が居るとしたら、同じく今年のオフシーズンにフリーエージェントを迎えるトロント・ラプターズのサージ・イバカでしょう。
イバカはイビツァ・ズバッツよりも機動力を持ちながら、ハレルよりもサイズがある選手です。
自分の役割を理解しているベテランであり、3ポイントシュートによってスペースを生み出すことができ、2019年の優勝も経験していることを考えると、イバカが優勝を目指すチームにとって非常に貴重なロールプレイヤーであることは間違いありません。
イバカとの契約が叶わないのであれば、デンバー・ナゲッツのポール・ミルサップも興味深い選手の一人として挙げることができます。
ルー・ウィリアムズの先発起用
特にクリッパーズがオフシーズンにプレイメイカーを獲得できない場合は、ルー・ウィリアムズを先発として起用することも考えてみるべきです。
ウィリアムズはリーグトップクラスのプレイメイカーというわけではありませんが、今季はチームトップの平均5.6アシストを記録したため、少なくともチームの活かし方は心得ているでしょう。
また、彼自身が多彩なオフェンスのスキルを持っているため、カワイ・レナードやポール・ジョージに次ぐ3番目の得点源としても機能します。
ウィリアムズはキャリアを通じてシューティングガードを務めてきましたが、かつてシカゴ・ブルズで優勝に貢献したロン・ハーパーのように、キャリアの晩年を迎えるにつれてポイントガードを務めることも検討できるはずです。
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