2017年のNBAドラフトで息子のロンゾ・ボールがロサンゼルス・レイカーズに全体2位で指名された後、父のラバー・ボールは過激な発言によってバスケットボール界から一躍注目を浴びるようになりました。近年、ラバーの勢いは弱まってきたように思われていましたが、今年のドラフトで末っ子のラメロ・ボールがシャーロット・ホーネッツに全体3位で指名して以降、彼は息を吹き返しているようです。
ラバーは最近の『Bleacher Report』のティム・ダニエルズ記者とのインタビューの中で、ラメロが新人王を受賞できるかどうかという質問に対し、自信を持った過激なコメントを残しました。
「(オーナーの)マイケル・ジョーダンとチームを組んで新人王を受賞できないとでも?頭がおかしいんじゃないか?」
Bleacher Report
とはいえ、ラメロが今年のドラフトにおける最大のタレントの一人であることは事実です。昨季にNBL(オーストラリアのバスケットボールリーグ)のイライワ・ホークスの一員としてプロ経験を積んでいるというのは、NBAに順応するという意味で大きなアドバンテージでもあります。
また、ミネソタ・ティンバーウルブズに全体1位で指名されたアンソニー・エドワーズや、ゴールデンステイト・ウォリアーズに全体2位で指名されたジェームズ・ワイズマンと比較しても、ラメロは新人王を受賞しやすい環境に身を置いています。
ウルブズは25歳のカール・アンソニー・タウンズと、24歳のディアンジェロ・ラッセルという2人の若いスターを中心に構築されています。彼らは決して利己的な選手ではありませんが、いくらエドワーズが全体1位指名の選手であるからといって、彼にファーストオプションが託されることは無いでしょう。ウォリアーズには絶対的なファーストオプションであるステフィン・カリーがいます。彼も同様に利己的な選手ではありませんが、少しでも来季の優勝争いに絡んでいこうとチームが考えている以上、ワイズマンに頻繫にボールが送られる可能性は低いように思えます。
一方、ラメロが所属するホーネッツはこのオフシーズンにゴードン・ヘイワードと長期契約を結びました。ヘイワードは2016‐17シーズンにオールスター出場を果たした経験があるものの、2017‐18シーズン開幕戦で左足首の骨折という大怪我を負って以降、彼は堅実な選手として評価されています。彼の独力でホーネッツをプレイオフに導くのは困難なことでしょう。そのため、ホーネッツは別の選手にも頼る必要があります。
ホーネッツにも若い選手は何人か居ます。25歳のデボンテ・グラハムや22歳のマイルズ・ブリッジズ、PJ・ワシントンらは、将来的に優秀なロールプレイヤーに成長する可能性あります。しかし、明確なスターとなるポテンシャルを秘めた選手というわけではありません。一方、ラメロにはそのようなポテンシャルを感じさせるものがあります。当然、ラメロはまだNBAの舞台でプレイをしていないため、彼に対する期待値が続く可能性もあれば、兄のロンゾのように下がってしまう可能性もあるでしょう。とはいえ、ホーネッツがラメロに賭けてみる価値は十分にあるはずです。
ラメロが新人王を受賞しなければ「狂っている」とまで言うつもりはありませんが、彼が開幕前の時点で新人王の最有力候補の一人として見なされているのは確かです。ラバーの過激発言が勢いを増すことも、懸念しておく必要があるかもしれません。
-
ホーネッツにとってゴードン・ヘイワードとの4年1億2,000万ドルの契約は最善の決断なのか