2019年の優勝に貢献したセンターのサージ・イバカ、マルク・ガソルがそれぞれフリーエージェントで移籍して以降、トロント・ラプターズはセンター陣の弱体化に苦しんでいます。ラプターズは代わりにアーロン・ベインズ、アレックス・レンといった2人のセンターと契約を結びましたが、2020‐21シーズン開幕後の最初の7試合で1勝6敗と散々なスタートを切っており、センター陣の課題も表れています。
しかし、1月8日(日本時間9日)のサクラメント・キングス戦に144‐123で快勝したことにより、ラプターズのニック・ナースHC(ヘッドコーチ)は解決策を見つけ出したかもしれません。この試合では、これまで7試合全てで先発出場してきたベインズをコーチ判断で欠場させ、レンも5分間に満たない出場時間で試合を終えました。代わりにナースHCが試みたのは、パワーフォワードとセンターをパスカル・シアカム、OG・アヌノビー、クリス・ブーシェといった一回りサイズの小さい選手でローテーションさせる”スモールラインナップ”でした。
『TSN』のジョシュ・ルーウェンバーグ記者によれば、ナースHCはセンターの起用法に関して「調査すること」は多いと言います。しかし、考え方は先発陣にスモールラインナップを適用させることに傾倒しているようで、パワーフォワードにアヌノビー、センターにシアカムを起用することについて「考えてみてもいいと思う」とコメントしました。
ナースHCは物事を切り替えることを恐れない指揮官です。実際、昨年のプレイオフのボストン・セルティックスとのカンファレンス準決勝でも、ナースHCはアヌノビーをセンターとして起用してチームに流れをもたらしました。最終的にシリーズに敗れたとはいえ、こうしたナースHCの大胆な判断がラプターズを2年連続となるカンファレンス決勝進出の目前まで引き寄せていたのは事実です。
ただ、現時点ではスモールラインナップが最適解と決まったわけではないため、ラプターズとナースHCは引き続きセンター陣の解決策に取り組んでいく必要があるでしょう。短縮されたシーズンで最悪とも言えるスタートを切ったため、あまり悠長にしている時間はありません。現時点のラプターズはNBAファイナルやカンファレンス決勝進出はおろか、プレイオフ進出さえも懸念される状況に立たされています。
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