ドレイモンド・グリーンが2020-21シーズンに復帰して以降、ゴールデンステイト・ウォリアーズは3勝2敗を記録しています。グリーンのスタッツは決して華やかさがあるわけではないものの、彼のコート上での存在感やコミュニケーション力、気迫、リーダーシップ、そしてステフィン・カリーとの相性の良さは、今季のウォリアーズが競争力を失っていないことを感じさせました。
しかし、グリーンはウォリアーズにとってかけがえのない存在であるかのように思える一方、トレード市場に彼の名前が挙げられることも少なくありません。その大きな理由の一つは、ウォリアーズの贅沢税に関係しています。
贅沢税はリーグのサラリーキャップをチームが大幅に上回った際に支払わなければならないペナルティであり、今季のウォリアーズは現時点でNBA史上最高額である約1億4,700万ドル(約152億8,000万円)の贅沢税を支払う予定となっています。贅沢税はシーズンを終えた後にまとめて支払う必要があります。したがって、シーズンが終わる前にチームがトレードなどでサラリーを削減した場合、贅沢税の削減、もしくはタックスラインを下回れば贅沢税を免れることができます。実際に昨季のウォリアーズはトレードによって、贅沢税の対象となることを回避しました。もしウォリアーズが今季を失敗と見なした場合、これがグリーンにも起こるかもしれないということです。
ここでの興味深い話題は、ポートランド・トレイルブレイザーズのスターであるデイミアン・リラードが、トレード可能となった際にグリーンを獲得することに関心を持っている可能性があるということです。『The Athletic』のシャムス・シャラニア記者はポッドキャスト『The Athletic NBA Show』で次のように報じました。
「もしウォリアーズが(グリーンを)トレードすることに決めた場合、(ブレイザーズは)その移籍先の一つだ。デイミアンと彼のグループはここ数年間、そのための活動を行ってきた」
グリーンとリラードは親友であり、今のNBAはスター選手も友人と一緒にプレイすることを好む時代です。同時に、ブレイザーズは主力パワーフォワードのザック・コリンズが足首の手術で離脱しているため、グリーンのような攻守で献身的なプレイをしてくれる選手の加入は心強いでしょう。現状、ブレイザーズはパワーフォワードの大部分をカーメロ・アンソニーとロバート・コビントンに任せています。
とはいえ、グリーンのトレードは基本的には非現実的な話です。ウォリアーズのオーナーであるジョー・レイコブやボブ・マイヤーズGM(ゼネラルマネージャー)は、グリーンが過去数年間の王朝の中核を担ったことを感謝しており、グリーン、カリー、クレイ・トンプソンといった生え抜きの選手たちをウォリアーズで引退させたいと考えているためです。加えて、今季に約2,950万ドル(約30億7,000万円)の契約を結んでいるアンドリュー・ウィギンスや、約1,440万ドル(約15億円)の契約を結んでいるケリー・ウーブレイJr.など、贅沢税を削減する方法は他にもあります。
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