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ロケッツのラファエル・ストーンGMがさらなるトレードの可能性を示唆

ヒューストン・ロケッツは過去数年間に渡ってチームを率いてきたスターのジェームズ・ハーデンを手放すことによって、一つのやるべき仕事を終わらせました。しかし、今後もロケッツの動きから目を離すことはできないでしょう。なぜなら彼らはハーデンをブルックリン・ネッツに放出した見返りとして、2度のオールスター出場経験を持つビクター・オラディポ、25歳のダンテ・エクサム、22歳のロディオンズ・クールッツ、そして4つのドラフト1巡目指名権と4つのドラフト1巡目スワップ権を獲得したためです。

加えて、ロケッツが引き続き何らかのトレードを行う可能性があることは、実際に組織の首脳陣が示唆しています。『ESPN』のティム・マクマホン記者によれば、ロケッツのラファエル・ストーンGM(ゼネラルマネージャー)は、今回のハーデンのトレードについて次のように語りました。

「今回のトレードの最もエキサイティングな部分は、柔軟性が得られることだ。NBAではドラフト指名権、特に高順位のドラフト指名権は最高の資産となる。誰もが大好きで、大切にする資産だ。それを獲得できたのは、組織として素晴らしいことだった。今年や来年など、様々な種類のトレードを柔軟に行うことができるようになった」

ロケッツがハーデンのトレードで獲得した指名権やスワップ権は、具体的に以下の通りです。

指名権

  • 2022年1巡目(ネッツ)
  • 2022年1巡目(バックス→キャバリアーズ)
  • 2024年1巡目(ネッツ)
  • 2026年1巡目(ネッツ)

スワップ権

  • 2021年1巡目(ネッツ)
  • 2023年1巡目(ネッツ)
  • 2025年1巡目(ネッツ)
  • 2027年1巡目(ネッツ)

ロケッツが獲得した4つの1巡目指名権は、全て保護条件の無いものであると伝えられています。そのため、いずれかのドラフト指名権が高い順位になったとしても、ロケッツはその指名権をネッツやキャバリアーズに返す必要がないということです。スワップ権はネッツの指名順がロケッツを上回った場合、ロケッツがネッツの指名順と交換することができる権利です。

直近の指名権やスワップ権はあまり価値が無いかもしれません。しかし、ネッツのハーデン、ケビン・デュラント、カイリー・アービングの新たなスタートリオには懸念すべきことがあります。既にデュラントは32歳、ハーデンは31歳、アービングには怪我の多さや問題行動といった歴史があるということです。そのため、将来的にネッツが思うような成果を挙げられず、指名順が高くなる可能性は十分にあり得るのです。

実際にネッツは以前も同じような過ちを犯していました。彼らは2013年に当時のスターだったポール・ピアースやケビン・ガーネットらをトレードで獲得すべく、2014年、2016年、2018年のドラフト1巡目指名権を手放しました。それによってネッツは何年にも渡って再建に苦労する暗黒時代を過ごすことになりました。

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指名権やスワップ権以外にも、ロケッツが3月25日のトレード期限までに別の動きを見せると考えられる理由はいくつかあります。

ハーデンのトレードの一環で獲得したオラディポは、その理由の一つでしょう。ロケッツは今季を含めて3シーズンの契約を残している26歳のキャリス・ルバートではなく、大きな怪我の過去がある28歳のオラディポの獲得を選びました。オラディポは以前から昨季のイースタン・カンファレンス王者、マイアミ・ヒートでプレイしたがっている噂が報じられており、今年のオフシーズンにはフリーエージェントとなります。つまり、何事もなくオラディポを失うくらいであれば、今季の競争力を必要としているチームにオラディポを売り込み、見返りとしてさらにドラフト指名権などを獲得した方がロケッツにとっては合理的です。

ハーデンの放出に伴って、彼を支えてきたベテランのエリック・ゴードン、PJ・タッカーの放出も、トレード期限前に動きがあるかもしれません。特にタッカーに関しては、複数のチームが彼の獲得に関心を示していると、『The Athletic』のジョン・クラウチンスキー記者が報じています。

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オフシーズンにワシントン・ウィザーズとのトレードで獲得したジョン・ウォールも例外ではありません。今季を除いても2年間で9,100万ドル以上残っている彼の契約は、ロケッツが再建を行うにあたって大きな弊害となることが懸念されています。

現時点でハッキリしていることが一つあるとすれば、それはロケッツがネッツから得た資産によって本格的な再建に向かっているということです。ハーデンが居た状況でもロケッツが過去数シーズンのプレイオフで苦戦してきたこと、今季は4勝7敗でウェスタン・カンファレンス13位と出遅れていることを考えると、再建は彼らにとって最善の決断であると言えるでしょう。

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