今季が開幕した当初、ダラス・マーベリックスの若きスターであるルカ・ドンチッチはMVP候補として注目を浴びていました。もちろんドンチッチのパフォーマンスは決して期待外れなわけではなく、今季も平均27.8得点、8.7リバウンド、9.3アシストと脅威的なスタッツを残しています。しかし、彼は自身がMVPに値するとは感じていません。
『ESPN』のアナリスト、スティーブン・A・スミスがホストを務める番組『Stephen A’s World』に出演したドンチッチは、自身が今季のMVP争いで議論されることについて率直な意見を述べました。
「正直に言うと、自分は今年のMVPの議論に含まれるべきではないと思う」
その理由について尋ねられたドンチッチは、個人的な成績が良くても、チームを勝利に導けていないためだと答えました。今季のマーベリックスはここまで12勝14敗でウェスタン・カンファレンス12位につけており、第7シードでプレイオフに進出した昨季よりも苦戦を強いられています。
「13位や14位とかで戦っているからさ。今の僕らは正しい方法でプレイして、プレイオフに進出しなければならない。それが僕らにとって重要なことになっている」
もしMVPに値する選手として見なされるのであれば、チームの順位をどこまで引き上げる必要があるのか尋ねられると、ドンチッチは次のように返しました。
「詳しいことは分からないけど、ウェストのトップ2チームくらいというのが僕の意見かな」
ドンチッチの意見はほとんど間違っていません。所属していたチームがカンファレンス2位以内でレギュラーシーズンを終えることができなかった最近のMVPは、2016年のラッセル・ウェストブルックでした。当時ウェストブルックが所属していたオクラホマシティ・サンダーは、ウェスト6位でシーズンを終えています。それ以前では、2005-06シーズンのスティーブ・ナッシュまでさかのぼります。当時ナッシュが所属していたフェニックス・サンズはウェスト3位でした。
それでも彼らが所属していたチームはプレイオフに進出しています。プレイオフに進出できなかったチームの選手がMVPを受賞することは夢のまた夢でしょう。
そうして考えると、確かに今のMVP争いにドンチッチを含めるべきではないかもしれません。しかし、彼が今季のMVP争いから脱落したと見なすのも時期尚早です。2020-21シーズンはまだ前半戦の真っ只中であり、マーベリックスが巻き返すチャンスはいくらでも残っています。幸いにもドンチッチの個人成績は目を見張るものがあるため、チームを勝利に導くことさえできれば、彼がMVPの有力候補に返り咲くことは十分に可能でしょう。
-
ルカ・ドンチッチが独力で優勝に導くことは不可能?シャキール・オニールは「不満を持ったスーパースターを探した方がいい」