5月12日(日本時間13日)に行われた、ポートランド・トレイルブレイザーズ対デンバー・ナゲッツのウェスタン・カンファレンス準決勝第7戦、トレイルブレイザーズが100-96でナゲッツを下し、1999-2000シーズン以来となるカンファレンス決勝進出を果たしました。
昨年、第3シードでプレイオフに臨んだトレイルブレイザーズが、第6シードのニューオーリンズ・ペリカンズにスウィープという屈辱的な敗北を喫したことは、記憶に新しいことでしょう。
少なくともこの一年間、その汚名を返上したいという想いは強かったに違いありません。
そして今、トレイルブレイザーズがどれほどのチームに進歩したか、ロードでの第7戦を制することで証明して見せました。
しかし、その道のりは第7戦も過酷で、特に前半はトレイルブレイザーズの予期せぬ方向へと進んでいきました。
最も不安視したのは、エースのデイミアン・リラードの不振でしょう。
彼はこの試合で45分間に出場したにも関わらず、フィールドゴールはわずか17本中3本の成功で13得点に留まり、このシリーズで最悪とも呼べるパフォーマンスとなってしまいました。
もっと言ってしまえば、彼は最初の6本のショットを全て外し、最初の18分間で無得点に終わったことで、チームは第2クォーターに最大17点のビハインド(22-39)を追う展開となっています。
しかし、そんなエースの不振、チームの窮地を救ったのが、CJ・マッカラムの存在でした。
マッカラムもまた45分間に出場しましたが、彼はフィールドゴール29本中17本を沈める37得点を記録し、まさにチームの勝利の立役者となったのです。
クラッチタイムでさえボールを持ったのはマッカラムであり、本来ボールを持つはずのリラードは、この日に限ってはコートの端でマッカラムを見守っていました。
そして言うまでもなく、マッカラムはその役割を全うしています。
さて、そんな大活躍のマッカラムのプレイの中でも、特筆すべきはスリーポイントシュートに頼らなかったという点でしょう。
このシリーズにおいて、第4オーバータイムまでもつれた第3戦を除くと、マッカラムは第7戦で最も多くのフィールドゴール(29本)を放っています。
しかし興味深いことに、第7戦でマッカラムが放ったスリーポイントシュートは、このシリーズのどの試合よりも少ない本数(3本)でした。
この理由は、試合前に兄のエリック・マッカラムが、CJ・マッカラムに対し「(スリーポイントシュートで)簡単に済まそうとするな。ミッドレンジから打ち、フローターを打ち、リムへ攻めろ」とメッセージを送ったからです。
そしてマッカラムは、ミッドレンジジャンパー、ステップバックジャンパー、フローターなど、あらゆる手段で得点を量産しました。
トレイルブレイザーズのテリー・ストッツHCは、リラードが苦戦している中でのマッカラムのパフォーマンスを称賛しました。
「2人の選手が様々な方法で得点できるのは贅沢なことだね。CJは得点を取り続け、デイム(デイミアン・リラード)は他のことをしてくれた。デイムがショットに苦労していた夜に、CJが大きな役割を果たしてくれたんだ。大抵の場合、どちらか一方が活躍しているだろうから、それを頼ることになる。今夜はCJの夜だったね。」
次の舞台は、3連覇を目論むゴールデンステイト・ウォリアーズが待つカンファレンス決勝です。
ウォリアーズとの対戦までに、トレイルブレイザーズが休める時間はわずか1日しかありません。
しかしその前に、まずは2000年以来のカンファレンス決勝進出を祝いましょう。
リラードはチームメイトを抱きしめ、スタッフを抱きしめるためにトレーニングエリアへ足を踏み入れ、こう叫びました。
「素晴らしい気分だ!言い表せないよ!」