今年のドラフトでニューヨーク・ニックスに全体3位で指名され、ファンの注目を浴びているRJ・バレットは、残念なことにサマーリーグの舞台で不振に陥っています。
最初の2試合ではフィールドゴール33本中7本成功、アシストはわずか2本にも関わらずターンオーバーは10本も記録しました。
3試合目となった7月9日(日本時間10日)のトロント・ラプターズ戦は、フィールドゴール14本中6本成功、6アシストと少しは良くなりましたが、決めた6本中5本のショットはリム周辺のものであり、ジャンプショットにはまだまだ課題がありそうです。
さて、ニックスのファンたちは、バレットの不振を懸念すべきでしょうか?
「さほど気にすることはない」というのが答えになるでしょう。
ちょうど1年前のトレイ・ヤング(アトランタ・ホークス)を思い出してください。
彼がデビューしたサマーリーグは散々なものであり、最初の10本のショットを外し、そのうち得意のスリーポイントシュートが2~3本のエアボールを含む7本も占めていたのです。
結局、デビュー戦はフィールドゴール20本中4本成功、スリーポイントシュート11本中1本の成功に終わりました。
それでもヤングは、サマーリーグが終わることには感覚を掴み、レギュラーシーズンが始まれば徐々に試合の長さやスピードに順応したことで、最終的には新人王のファイナリストに選出されるまでに至っています。
ですから、ニックスファンはまだバレットを本当に評価すべき時ではありません。
これはサマーリーグであり、ルーキーにとっては全く新しい環境なのです。
『SNY.tv』のイアン・べグリー氏は、バレットについて何人かのスカウトに話を聞きましたが、彼らは焦っていませんでした。
あるベテランスカウトの一人は、バレットについて次のように語っています。
「もちろんニックスは、NBAに居ない選手たちが出ている試合で、彼が支配的であるのを見たがっている。それが全体3位指名を受けた選手に期待することだ。しかし、警鐘を鳴らす必要は無い。彼は19歳であり、これはサマーリーグで、彼のルーキーシーズンだ。今は成長し、NBAのフロアに慣れることだよ」
「彼のドリブルには爆発力が無かった。しかし、彼はデュークでもとても速いわけじゃなかったよ。彼はそのレベルで、サイズと強さを武器に相手をいたぶっていたんだ。NBAでもうまく通用するだろうか?それとも調整する必要があるだろうか?これがサマーリーグの試合に興奮しすぎないもう一つの理由だ。彼は強さを増し、時間が経つにつれて速くなる可能性があるんだよ」
サマーリーグで結果を残すことは、NBAでも活躍できるかもしれないという期待を残すことにも繋がります。
しかし、サマーリーグで結果を残せなかったからといって、NBAで活躍できないと判断するのは誤りでしょう。
確かに今のバレットに不安を抱くのは当然かもしれませんが、あくまでこれはサマーリーグであり、私たちはレギュラーシーズン以降に順応して活躍したルーキーを何人も知っているはずです。