オクラホマシティ・サンダーのクリス・ポールは、今シーズンを含めて3年間で3,850万ドル、4,130万ドル、4,420万ドル(プレイヤーオプション)という莫大な契約を抱えています。
ポールを若手の育成としてチームに残しておく考えは悪くありませんが、やはりチームの将来を――特に金銭面で圧迫してしまうことを考えると、遅かれ早かれ彼をトレードするのが最善だと言えるでしょう。
しかし残念なことに、その問題は数ヶ月前と比べて解決し難いものとなっています。
マイアミ・ヒートやロサンゼルス・クリッパーズ、ミネソタ・ティンバーウルブズ、ミルウォーキー・バックスといったポールのトレードに応じる噂のあったチームが、揃って2019-20シーズンに好調なスタートを切っている――すなわち、ポールの獲得を必要としない状況にあるのが原因なのは明らかです。
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ヒートは、いずれジミー・バトラーに相方が必要となり、経験豊富で信頼できるポイントガードを欲するかもしれません。
しかし少なくとも、現時点では10勝3敗でイースタン・カンファレンス3位と、スター級の力を持ったポイントガードが居なくとも成功しています。
レイカーズは、基本的にレブロン・ジェームズがポイントガードを務めているにも関わらず、ここまでリーグトップの12勝2敗を記録しており、ジェームズとアンソニー・デイビスのデュオが成功しているのは明らかです。
ウルブズも昨シーズンの散々な結果が嘘のように、ウェスタン・カンファレンスで8勝6敗と勝率5割以上を記録しています。
スーパーマックス契約を控えるヤニス・アデトクンボを擁するバックスにとっても、今シーズンの成功は至上命題と言っても過言ではありませんが、昨シーズンと同様に安定して勝利を積み重ねているようです。
いずれのチームにとっても、早い段階でのラグジュアリー・タックス(贅沢税)を覚悟してまで、ポールを獲得しようとは考えていないでしょう。
もしお金に糸目を付けないのであれば、レイカーズは最有力な移籍として挙げられるかもしれませんが、彼らの最大の問題は提示できる資産が不足していることです。
レイカーズは2026年までのドラフト1巡目指名権を手放すことができず、カイル・クーズマ以外にサンダーの興味を惹き付ける若い選手も居ません。
12月15日以降は、オフシーズンに契約を結んだベテラン選手も放出できるようになりますが、ダニー・グリーンやケンテイビアス・コールドウェル・ポープ、ラジョン・ロンドといった選手を、再建を目的とするサンダーが受け入れるとは思えないでしょう。
もしヒートがスタートに失敗していれば、彼らはタイラー・ヒーローやバム・アデバヨ、ジャスティス・ウィンズロウを含んだトレードを検討していたかもしれません。
もしレイカーズがスタートに失敗していれば、彼らはクーズマを副次的な損害として見ていたかもしれません。
もしバックスがスタートに失敗していれば、ラグジュアリー・タックスを覚悟してでも、エリック・ブレッドソーと1巡目指名権を付けてトレードしていたかもしれません。
しかし、ご存知の通りそれらが起こることは無いようです。
ポールの買い手は、どこも予想以上に上手くいっています。
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